ロードスターキャピタル 【3482・プライム市場】

23区内ビルに投資し付加価値つけて運用
不動産特化型クラウドファンディングで注目

23区のオフィスビルなどを対象に投資と運用を行い、大きく業績を伸ばしているのがロードスターキャピタルだ。保有した不動産に手を入れ、付加価値をつけて運用する戦略が好循環を生んでいる。少額から不動産投資できるクラウドファンディング事業「OwnersBook」も人気を呼び、会員数が拡大している。
ロードスターキャピタル-岩野 達志

岩野 達志(いわの たつし)

社長

東京大学農学部卒。19 9 6年日本不動産研究所入所、2000年ゴールドマン・サックス・リアルティ・ジャパン入社。04年ロックポイント・マネジメント・ジャパンLLC入社。12年ロードスターキャピタル設立、代表取締役社長就任(現任)。14年ロードスターファンディング代表取締役社長就任(現任)。

流動性の高いオフィスビルに投資
リーマンショックの教訓活かす

同社の2019年12月期の売上高は151億1600万円(前期比56%増)、営業利益36億5300万円(同52%増)と好調。売上高の約9割は不動産に投資・運用する「コーポレートファンディング事業」によるものだ。

同社は自己資金でオフィスビルを購入し、改修などを施して価値を上げてから賃貸する「バリューアップ」を基本としている。購入するのは主に東京23区内の物件で、築20数年が経った10億円から30億円程度のものが中心。専有面積は200坪から1000坪程度の中規模なビルが多く、2019年12月末で25件の物件を所有している。

社長の岩野氏は、リーマンショック時にも東京のオフィスビルだけは活発に売買されていた経験から、この地域にフォーカスして物件を選んでいるという。

「これまで55件のオフィスビルや物流施設等を取得し、30物件を売却した。築年数が経って既存の所有者が手に負えなくなった物件を買いとり、プロの力でしっかりとバリューアップするのが我々の戦略です」(岩野達志社長)。

バリューアップには、建物を改修してコンディションを良くする方法と、入居するテナントの賃料を上げて運用の利回りを改善する方法がある。物件に合ったバリューアップを施すことで、単年で3~5%の利回りでの運用を可能にしている。バリューアップを終えた物件は、同社の希望価格以上で買いたいという相手があれば売却する。19年12月期の同事業では、物件を売却し新たに14物件を取得。売却の売上は129億1900万円(前期比57・3%増)、一方の賃貸売上は14億800万円(同14%増)となった。

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