半導体黎明期から参入
時代に合わせ業態変化
内外テックは半導体・FPD(フラットパネルディスプレイ)製造装置向け部品の仕入れと販売を行う商社機能を持ちながら、半導体製造装置の組み立て、保守・メンテナンスなどの受託製造事業も展開する。売上構成比率は販売が8割、受託製造が2割を占める。2023年3月期の実績は売上高が前期比20・6%増の452億円、営業利益が同10・7%増の23億円の増収増益を達成。2期連続で過去最高業績を更新した。
同社は半導体の黎明期から業界に参入。メーカーから商社、後工程から前工程へと、時代の変遷に合わせて立ち位置を変えてきた。半導体を製造する工程は、大まかに“前工程”と“後工程”に分かれる。シリコンウエハーの回路を形成するまでの過程を“前工程”、回路が形成されたシリコンウエハーを半導体チップに切り出して出荷する工程を“後工程”という。
「1961年の創業以降は、半導体製造装置の後工程に関わる装置・部品メーカーでした。半導体ウエハーを前工程で製造した後、チップを特定の位置に固定して金線などで配線し、損傷を防ぐためエポキシ樹脂を流し込み封止する。この固定や封止工程に関する作業を行っていたのです。半導体黎明期から、富士通・東芝・日立・シャープなどあらゆるメーカーが顧客でした。装置メーカーとして米国で海外生産もしていましたが、後工程分野の東南アジアへのシフトにより84年に撤退し、国内拠点に戻しました」(権田浩一会長)
この頃から、半導体製造装置メーカーで現在世界3位の規模を誇る東京エレクトロンとの取引がスタートしたという。黎明期からの業界内ネットワークや知見が活かされている形だ。現在の売上高の7割以上が東京エレクトロンによるものだという。「東京エレクトロンとのやり取りで前工程の装置部品を納める商社機能が、拡大・成長していきました。前工程は全てクリーンかつ真空工程が多く、SMC(6273)など空気圧機器や真空に強い会社との繋がりもでき、東京エレクトロンの成長と共に当社も保守メンテ・組立まで事業を広げてきました」(同氏)
▲同社が扱う商品群
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