明治35年創業の老舗
高付加価値品で高利益率実現
同社では、空気やガスなどの気体、水や油などの液体、粉体など、あらゆる流体に対応したバルブを開発・設計・製造・販売している。手がけるバルブの大きさは25㎜〜3000㎜にまで至り、組み合わせによりカスタマイズ製品を10万種類以上提供することが可能になる。中でも売上構成の83%を占めるのがバタフライバルブだ。ボディーである弁箱内で円板状の弁体を回転させることで流量調整を行なう。同製品は主に建築、造船、発電、プラントなどに納入されており、近年では特に環境規制強化により船舶への需要が急増中という。
同社は木挽鋸の製造所として明治35年に創業。その後昭和27年にバルブメーカーへと転向した。当初は玉形弁や仕切弁といった一般的なバルブから手掛け始めたが、次に普通のバルブでは処理できないような流体向けとしてナイフゲートバルブの開発に着手した。当時は、紙のパルプなど、ドロドロとした流体は普通のバルブでは詰まってしまうため、同業他社が挑戦したがらない分野だった。さらにコンクリート向けに対応するため、ピンチバルブの開発も開始。こちらも途中でコンクリートが固まってしまう性質で、他社は避けたがる分野だ。
「当社では他がやらない高リスクで難易度の高い分野に敢えて挑戦することを続けてきました。常に新しいもの、世界一のもの、ここにはないもの、スペックの高いものに挑むというのが当社の考えです」(村井米男社長)
同社ではその時々の最先端の技術や難題に挑戦することで、更に難易度の高い案件を獲得し続けてきた。例えば建築物の空調設備用バルブでは、現在国内一の超高層ビルあべのハルカスの全ての空調設備にも同社製品が使用されている。
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