安全で適合性もある
バイオマテリアル
同社は「自己組織化ペプチド」をコア技術に、各医療領域での実用化を目指した開発に取り組んでいる。自己組織化ペプチドとは、もともと人体にあるアミノ酸から成るペプチドで構成されたバイオマテリアルのこと。ペプチドを生理的条件下に置くと、ペプチド同士が自然に自己集合しゲル化(自己組織化)するという技術だ。同社は、MITから独占的に自己組織化ペプチドの特許のグローバルライセンスを取得している。
医療現場では、動物由来のバイオマテリアルが多く使われているが、動物由来のものは人体への馴染みがいい反面、不純物質が混入しているリスクがある。一方、自己組織化ペプチドは工場で生産されるため安全性が高く、アミノ酸で構成されているため人体への適合性もある。また品質の安定性もあり、用途に応じたバリエーションが作れる。こうした特性から、様々な医療現場での実用化が期待される。
同社ではオープンイノベーションにより、100以上の共同研究機関や大学と常に新しい用途の探索を進めている。現在は、外科医療、組織再生、DDSの3領域で実用化を目指し、複数の製品開発に取り組む。
「バイオマテリアルは、承認申請で医療機器に分類されます。医薬品は臨床試験も多く上市まで10年以上かかりますが、医療機器は3~4年と短く、開発費も医薬品に比べ10分の1ほどです。1つ承認が取れると適用拡大ができるので、開発スピードも非常に早いです」(岡田淳社長)
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