不動産・住宅情報サービス運営 LIFULL 【2120・プライム市場】

AI活用した不動産業のDX支援で再起図る
中計目標は25年に営業利益50億円

LIFULLは、不動産・住宅情報サービス「LIFULLHOME‘S」を主力事業としている。同社は2023年12月、創業来初めての社長交代を実施。生え抜きの伊東祐司氏が新社長に就任した。創業者の井上高志氏は会長に就任し、ダブル体制でグループの経営推進力とガバナンスを強化していく。また、25年9月期を最終年度とする中期経営計画が進行中。25年度に営業利益50億円を目指す。
LIFULL-伊東 祐司

伊東 祐司(いとう ゆうじ)

社長

1982年生まれ。大学卒業後、2006年に新卒3期生としてネクスト(現:LIFULL)に入社。HOME’Sの営業、賃貸・流通領域の営業部長を経て、15年に最年少の32歳で執行役員に就任。19年にLIFULL HOME’S事業本部長(現任)、20年に取締役執行役員、23年12月に代表取締役社長執行役員に就任(現任)。

ホームズが売上6割超
掲載物件数は約550万件

LIFULLの2023年9月期業績は、売上高が前期比1・9%増の364億500万円、営業利益は同17・2%増の19億5900万円。売上高の64%を「LIFULL HOME‘S」(以下ホームズ)関連事業が占め、海外事業が23%、その他事業が13%の構成となっている。

主力のホームズ関連事業では、ホームズのサイトにて賃貸を中心に、中古売買や分譲物件、注文住宅などの情報を掲載している。約2万7000の不動産事業者が利用しており、掲載物件数は業界最大級の約550万件。収益は、ユーザーからの物件問合せへの反響課金、掲載課金の2モデルからなる。

「ホームズではAIによる自動検知と管理会社からの情報提供により、業界課題である〝おとり物件〟の対策に取り組んでいます。その分掲載数が下がったとしても、情報の正確さ・鮮度の高さがホームズの強みです」(伊東祐司社長)

海外事業は世界1・2位のアグリゲーションサイト(不動産、求人、自動車など、特定のテーマに関する情報を収集し、まとめて掲載するサイト)を買収するなど、グローバル規模でも暮らしに関する情報サービス事業を手掛ける。近年では南米の不動産ポータルサイトや、タイやアジアでの不動産仲介コンサルタントが好調だ。

その他事業では介護施設検索サービスを中心に、空き家利活用、グランピングや災害で利用できるインスタントハウス事業などを展開。23年11月には金融事業を担う子会社を立ち上げ、不動産NFTへ参入している。

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