AI導入の「駆け込み寺」
高い利益率が成長を支える
少子高齢化が進む中、労働を担う生産人口の減少は確実となっている。その問題を解決する手段として注目されるのがAIの活用だ。同社は、企業向けにAIを取り入れたシステムやアプリの立案、開発、運用管理を担当する「AIシステムインテグレーション」を展開している。担当する企業の業種はメーカー、卸・物流、小売、医療、金融など幅広い。
同社の事業にはAI、DX(デジタルを利用したシステム開発)、プロダクト、OPS(運用管理)の4つのセグメントがある。企業から依頼を受けるとまずコンサルティングチームが業務分析を行い、課題を絞り込む。AIを使用しなくても解決できる課題であればまずDXを勧め、将来AIを使うことを前提としたシステム作りを請け負う。
AIを使用する場合は実証実験を行った後にAIの周辺システムを開発。実用化した後も、安定的に稼働させるために運用管理を担当する。1社だけでAIシステムの立案、開発から保守まで行える企業は数少ないため、様々な企業のAI導入における「駆け込み寺」的役割も果たしているという。
これまで、物理的な鍵を一切使わず顔認証でドアの開閉や宅配ボックスの受け取りが可能なサービス「FreeiD」(※1)や、冷蔵庫内やレシートを撮影するだけで料理レシピを提案するアプリ「うちレピ」(※2)など、生活を大きく変える可能性がある様々な製品への技術提供を行ってきた。現在、ひと月当たり30〜40件のプロジェクトが進行している。
「マイクロソフトやグーグルなどの大企業や、大学などの研究所が様々なAIエンジンを作っていますが、それを手に入れただけでは実用化は無理。当社は企業の抱える問題に合わせたシステムを構築し、現場でAIを実際に稼働させるところまで一気通貫でやりきれるのが強みです」(篠田庸介代表取締役)
各セグメントの利益率は、AIが50%後半〜60%、DXが40〜50%、OPSは50%と高い。プロダクトでは、ライセンス提供の場合の利益率は90%、他社クラウドサービスなどを活用した場合は10〜20%となっている。
※1「FreeiD(フリード)」はDXYZ(ディクシーズ)株式会社が提供する顔認証IDプラットフォームサービス
※2「うちレピ」はサッポロホールディングス株式会社が提供するサービス
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