6事業でリスク分散
中古物件をバリューアップ
同社は、東京圏を中心に6つの不動産関連事業を展開する。主力は資産価値の下がった中古不動産を取得し、バリューアップ後に販売する「不動産再生事業」。23区内の築35年未満の中小規模物件を主なターゲットに、再生後は投資家や一般法人、個人向けに販売している。2つ目は、土地を取得し新築開発をして販売する「不動産開発事業」。この2つの「売買事業」で得た収益を再投資に回し事業を拡大するというのが、同社のビジネスモデルだ。
売買物件は、オフィスから商業施設、ホテル、物流施設、賃貸・分譲マンション、分譲戸建てまでと幅広い。顧客ターゲット別の取扱シェアは、J─REIT(不動産投資信託)・ファンドなどの投資家は10億~100億円以上の物件規模のものを対象に約25%という比率。一般法人は5億~20億円のものを対象に約45%。個人は3000万~10億円のものを対象に約30%となっている。
その他の「不動産ファンド・コンサルティング」「不動産賃貸」「不動産管理」「ホテル」の4事業を、ストック収益が得られる「安定事業」と位置付けている。2023年11月期の営業利益比率は、売買事業が50・8%、安定事業が49・2%。6事業でリスク分散しながら、市況の変化にも柔軟に対応できるポートフォリオ経営が特徴だ。
「当社はこの規模にも関わらず、三井不動産、三菱地所、住友不動産と同様に、総合不動産業を標榜しています。大手ディベロッパーでは、中古を買って再販しているところはあまりありません。住宅専門会社やファンド系など、事業毎に競合はいますが、6つのセグメントがあり全部できることが当社の強みです」(平野昇取締役専務執行役員)
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