エリア単位の店舗経営管理
販管費削減で利益を大幅改善
同社は1985年に大阪府で開業。全メニュー均一価格、国産鶏肉使用を掲げ大量出店を続けてきた。2017年にそれまで28年間続いた280円の均一価格を298円に値上げしたことで、客単価の前年割れなど低迷が続いたが、2019年7月期には前期出店店舗が軌道に乗り、過去最高売上高を記録した。
「14年のIPO以降メディアに取り上げられる機会が増え、それが客数を押し上げていきましたが、新規顧客の獲得以上に出店を増やしたことでバランスがくずれてしまった。現在の客単価はIPOした当時の水準で安定しています」(大倉忠司社長)
利益面でも大きく改善した。今年3月、同社は店舗売上高の減少などを理由に19年7月期初の営業利益予想を約10億円下方修正し、6億7800万円とした。しかし期末決算では営業利益11億9000万円を確保することができた。この利益改善の背景にあるのは、同社が19年度の下期から導入した「アメーバ経営」だ。
アメーバ経営とは、会社組織を「アメーバ」と呼ばれる小集団に分け、その集団単位で収支を管理するもので、京セラの社長だった稲盛和夫氏が編み出した経営手法のこと。同社では大倉社長が先頭に立ち、社内のアメーバ経営の会議すべてに参加するなどして推進に努めてきた。同社は直営店舗を50のエリアに分け、それぞれにエリアマネージャーを配置しているが、現在は各マネージャーがアメーバ経営に取り組み、店舗の採算管理をしている。この施策によって販管費を大幅に削減することができた。
「アメーバ経営を進めることで、ガス、電気、水道の費用それぞれを店舗レベルで毎月把握し、管理できるようになった。店舗備品の管理も進んでいる。いまは前期比で毎月数千万円が戻っている状況で、年間にするとかなりの額になります。このアメーバ経営を、最終的には店長レベルまで落とし込みたい」(同氏)
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