業界唯一のクラウド型
自社開発とM&Aで機能拡充
同社の2021年12月期連結業績は、売上高が前期比3・6%増の132億4100万円、経常利益が同0・7%増の9億5800万円。売上高をセグメント別に見ると、「流通クラウド事業」が30・4%、「官公庁クラウド事業」が46・5%、「トラスト事業」が0・7%、「モバイルネットワーク事業」が22・4%となる(下図参照)。
近年特に成長しているのが、「流通クラウド事業」だ。同事業では、食品スーパーや食品卸業者など向けに基幹システムを開発・販売。強みは、必要な基幹業務がすべてパッケージ化され、クラウドを経由して、どの顧客にも一律で同じサービスを提供することだ。ネット環境があれば導入でき、顧客からの要望を反映した最新型に自動でバージョンアップされるため、ハード保守や更新などの手間・コストが発生しない。
開発にあたっては、自社開発だけでなくネットスーパー、棚割り、分析など周辺サービス拡充のため、各業界で評価の高い1、2位の企業をM&Aで取り込み、内容を充実させた。発注、仕入れ・支払いから在庫の管理、利益の管理までサポートする食品スーパー向け基幹系システム「@rms」をはじめ、業者EDI(※1)、周辺システムも幅広く手掛ける。
「@rmsは2002年に着想し、05年のサービス開始から今年で18年目ですが、業界で同様の『シェアクラウド型』を手がけるのは今も当社だけです。@rmsは年商300億円以下、中小のスーパーさんが中心ですが、周辺サービスは年商数千億円以上のお客様にも使っていただいています」(村上恒夫社長)
国内の食品スーパーは約2万1000店あり、うち1278店が「@rms」基幹を導入する。スーパーの運営企業ベースで見ると約1000社のうち、約30%にあたる300社強が同社の何らかのシステムを利用している。
また加工食品卸売業・食品メーカー向け「EDIプラットフォーム」では、請求書など小売業ごとにフォーマットの異なるデータを自動変換する機能が好評。特に加工食品卸の中では大手10社中8社がこのシステムを採用し、業界標準となっている。
有料会員限定
続きを閲覧するには会員登録が必要です。
すでに会員の方は
ログインして閲覧してください。