サイバーリンクス 【3683・プライム市場】

食品流通向けなど業界特化基幹システムを開発
定常収入の積み上げで25年に売上高145億円へ

サイバーリンクスは、食品流通業や官公庁などにクラウドサービスを提供する会社。長年培ってきた基幹業務システム技術を、食品小売向けなど分野を絞って提供することで、業界大手など幅広い顧客を獲得している。近年は、システム利用料といった定期的に入る「定常収入」の拡大に注力。2022年12月期は定常収入の積み上げなどから、業績過去最高の売上高132億6700万円、経常利益10億4600万円となる見込みだ。
サイバーリンクス-村上 恒夫

村上 恒夫(むらかみ つねお)

社長

1947年生まれ。大阪大学卒業後、70年に松下電器産業(現パナソニック システムネットワークス)入社。79年に父・村上正義氏が経営する南海通信特機(現サイバーリンクス)入社、専務取締役就任。93年、代表取締役社長就任(現任)。

業界唯一のクラウド型
自社開発とM&Aで機能拡充

同社の2021年12月期連結業績は、売上高が前期比3・6%増の132億4100万円、経常利益が同0・7%増の9億5800万円。売上高をセグメント別に見ると、「流通クラウド事業」が30・4%、「官公庁クラウド事業」が46・5%、「トラスト事業」が0・7%、「モバイルネットワーク事業」が22・4%となる(下図参照)。

近年特に成長しているのが、「流通クラウド事業」だ。同事業では、食品スーパーや食品卸業者など向けに基幹システムを開発・販売。強みは、必要な基幹業務がすべてパッケージ化され、クラウドを経由して、どの顧客にも一律で同じサービスを提供することだ。ネット環境があれば導入でき、顧客からの要望を反映した最新型に自動でバージョンアップされるため、ハード保守や更新などの手間・コストが発生しない。

開発にあたっては、自社開発だけでなくネットスーパー、棚割り、分析など周辺サービス拡充のため、各業界で評価の高い1、2位の企業をM&Aで取り込み、内容を充実させた。発注、仕入れ・支払いから在庫の管理、利益の管理までサポートする食品スーパー向け基幹系システム「@rms」をはじめ、業者EDI(※1)、周辺システムも幅広く手掛ける。

「@rmsは2002年に着想し、05年のサービス開始から今年で18年目ですが、業界で同様の『シェアクラウド型』を手がけるのは今も当社だけです。@rmsは年商300億円以下、中小のスーパーさんが中心ですが、周辺サービスは年商数千億円以上のお客様にも使っていただいています」(村上恒夫社長)

国内の食品スーパーは約2万1000店あり、うち1278店が「@rms」基幹を導入する。スーパーの運営企業ベースで見ると約1000社のうち、約30%にあたる300社強が同社の何らかのシステムを利用している。

また加工食品卸売業・食品メーカー向け「EDIプラットフォーム」では、請求書など小売業ごとにフォーマットの異なるデータを自動変換する機能が好評。特に加工食品卸の中では大手10社中8社がこのシステムを採用し、業界標準となっている。

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