電通傘下のネット広告大手 CARTA HOLDINGS 【3688・プライム市場】

営業利益前期比79.3%減予想も 今期構造改革で復活を期す

 ネット広告大手のCARTAHOLDINGSが転換点を迎えている。2019年に前身のVOYAGE GROUPが電通系のCARTA COMMUNICATIONS(CCI)と経営統合。事業規模拡大に向け、関連会社を増やすも、市況の悪化もあり業績は振るわず、今期23年12月期は大幅減益を予想。しかし、新澤明男社長は飛躍を図るための構造改革期間だと言う。捲土重来を期す同社の戦略に迫る。
CARTA HOLDINGS-新澤 明男 

新澤 明男 (にいざわ あきお)

社長

1973年4月生まれ。97年、ソフトバンク入社。98年、サイバー・コミュニケーションズ入社。2005年、同社執行役員。13年、同社代表取締役社長最高経営責任者。18年、電通デジタル取締役(現任)。22年、CARTA HD代表取締役社長兼COO就任(現任)。

23年8月に下方修正発表
苦しい現状も先を見据える

CARTA HDは2019年に当時東証一部上場のVOYAGE GROUPと、電通のインターネット広告子会社であるCARTA COMMUNICATIONS(CCI/当時サイバー・コミュニケーションズ)の経営統合によって誕生した持ち株会社だ。

展開する事業は二つ。デジタルマーケティング事業とインターネット関連サービス事業。前者は広告会社などのクライアントに対し、デジタルマーケティング支援を行い、後者は自社メディアの運営などを行う。

同社は今、苦境に立っている。今期23年12月期連結業績予想は売上高が前期比6・7%減の242億円、営業利益は同79・3%減の5億円と減収大幅減益での着地を計画。8月には今期最終益を16億円の赤字に下方修正するなど調子は下向きだが、新澤明男社長は先を見据えている。

「当社は19年からホールディング体制をとり、文化の違う会社を一つにまとめてきました。その中で、外的要因もあり、目先苦しい状況ですが、事業構造を再度見直し、事業活動を行いながらV字回復を目指すための準備をしています」(新澤明男社長)

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