産業用電池や部材メーカー マクセル 【6810・プライム市場】

電池の開発技術を武器に構造改革推進中
全固体電池の売上規模目標30年300億円

マクセルは産業用の電池や部材などを製造販売するメーカーだ。同社はアルカリ乾電池、カセットテープやフロッピーディスクなど国内初生産の商品を数多く世に出した。一時、日立の子会社として非上場化した同社だが、2014年の再上場後は大幅な事業改革に着手し、BtoB事業を柱に成長を図っている。現在でもニッチ分野のトップシェア製品を数多く持ち、昨年は世界で初めて小型の硫化物系全固体電池の量産品出荷を開始した。同事業で2030年の売上規模300億円を目標に掲げる。
マクセル-中村 啓次

中村 啓次(なかむら けいじ)

社長

1966年8月生まれ。京都府出身。90年京都工芸繊維大工芸卒、日立マクセル入社。2013年同社エナジー事業本部副事業本部長。14年同社執行役員。17年マクセル執行役員。18年マクセルホールディングス(現マクセル)取締役、マクセル代表取締役取締役社長。20年マクセルホールディングス(現マクセル)代表取締役取締役社長に就任(現任)。

製品別に4セグメント展開
ニッチ分野でトップシェア

同社は製品別に4つのセグメントを展開。コイン形リチウム電池などの一次電池、リチウムイオン電池などの二次電池などの「エネルギー」、建築・建材用テープや工業用ゴム製品などの「機能性部材料」、車載カメラ用レンズユニットや半導体関連組込みシステムなどの「光学・システム」、そして理美容機器、電設工具などの「ライフソリューション」。

2023年3月期の業績は、連結売上高1327億7600万円(前期比3・9%減)、営業利益56億3800万円(同39・6%減)となった。海外売上比率は42%を占め、各セグメントでニッチトップシェアの製品をいくつも持っている。例えば自動車関連では、タイヤ空気圧監視システム用の耐熱コイン形リチウム電池が世界シェア70%を占めるほか、LEDヘッドランプレンズも世界トップシェア、車載カメラ用レンズユニットも日系メーカーでトップシェアを占める。そのほかの分野では電設工具が国内トップシェア、建築・建材用テープはトップクラスのシェア。半導体関連組込みシステムや半導体工程用テープなども業界内のシェアを高めている。
「それぞれのセグメントで自動車用途や産業用途で高い競争力の製品があります」(中村啓次社長)

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