主力製品は「アルミ」と「フィルム」
車載向けや通信向けに需要が拡大
同社は「電子機器用コンデンサ」「電力・機器用コンデンサおよび応用関連機器」「回路製品」の3つの製品分野がある。国内のほか、北米、欧州、中国、インド、東南アジア等に20の製造・販売及び開発拠点を持っている。
電子機器用コンデンサの売上高は626億4400万円(2021年3月期通期)で、売上全体の53・9%を占めている。そのうち大部分が「アルミ電解コンデンサ」だ。同社の製品は耐熱性と耐振動性能が高く評価されており、過酷な使用環境に対応する車載向けや、高密度実装による小型化やメンテナンスフリーが進む5G通信基地局向けに多く採用されている。
「当社部品はエンジンの起動や安全性能に直結するもの。エンジンルームの120度の熱に耐え、寒冷地でのマイナス40度の寒さに耐えられなければならない。民生用コンデンサとは格段の性能差があります」(吉田茂雄社長)
「電力・機器用コンデンサおよび応用関連機器」では、「フィルムコンデンサ」と研究・医療用加速器電源などの応用機器の製造・販売を展開。EV・HV向けインバータ平滑用フィルムコンデンサはEV(電気自動車)のモーターの動きを制御する“インバータ”に欠かせないキーデバイスだ。同社の製品は高周波特性と対電流性能に優れ、長寿命で安全性が高いことから多くの車種に採用されている。電力・機器用コンデンサおよび応用関連機器部門の売上は159億7600万円(21年3月期)で、売上全体の13・8%を占める。
「『EV・HV向けインバータ平滑用フィルムコンデンサ』はEVとHV(ハイブリッドカー)、PHV(プラグインハイブリッドカー)の普及で世界的に需要が拡大し、日本国内と中国工場で増産体制を構築中。アルミ電解コンデンサの需要も伸びており、両者が追いかけ合いをしているような状況です」(同氏)
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