商社とメーカーの二刀流
ニッチな材料から世界進出
進和は卸売をメインとした商社機能と、設計・開発・製造を行うメーカー機能の両方を持ち合わせる企業だ。
商社としてはハンダ、ろう付け材など金属接合材料や、工場の製造ラインを構成する各種機械を販売している。その一方で、培ってきた技術を活用し、さまざまなものづくりを受託できる複数の自社工場を展開している。取引先企業の製品試作、部品製造や補修、また工場におけるFAシステム導入などを手掛けている。
顧客企業は約3000社で、約7割を自動車業界が占める。それ以外にも航空宇宙、化学、電機、製紙・パルプ、ゴムメーカーなど幅広い顧客を持つ。海外進出も積極的に行っており、海外売上高比率は約4割だ。「もともと金属接合材料という、非常にニッチな材料の販売が目的の会社。企業の試作開発で溶接などのお手伝いをしていたら、『ここまでやってくれたのなら開発製品の部品も作らないか』と相談をもちかけられるようになった。そうすると製造設備も必要になる。そして当社の関わる分野がどんどん横に広がってきたのです」(根本哲夫社長)
22年8月期連結決算では、売上高710億6200万円(前期比16・2%増)、営業利益52億1300万円(同30・3%増)と、過去最高業績となった。中期経営計画で23年8月期に予定していた利益目標を、1年前倒しで達成したことになる。中国の日系自動車工場に向けた大型プロジェクトが収益を押し上げた。
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