国内で唯一単層シートを製造
─2019年に創業100周年を迎えました。コア事業である「床材」に強いメーカーとしてどんなこだわりを持っていますか。
永嶋元博社長(以下、永嶋) 当社は大正時代、日本で初めて床の敷物を作った会社です。床材は足で踏むので、高い耐久性がないといけません。細部にわたってどのように機能を高めていくのかが最も蓄積してきたノウハウだと思います。また、防滑性や抗菌性などの機能やデザイン性を高めるために、どのような技術やノウハウを駆使するのかがひとつの大きなポイントですね。
─最近は特に病院や介護施設に向けた高耐久な床材に力を入れています。これは成長が見込めるマーケットですね。
永嶋 2018年に単層ビニル床シート「ヒトエ グランザ」「ヒトエ ファイン」を発売しました。実は国内で本格的に単層シートを作っているのは当社だけです。単層シートは海外輸入品が圧倒的に多く、国内需要がありませんでしたが、少しずつ単層シートの技術が増えてきた。海外輸入品は安価ですが、海外のヘルスケアマーケットで単層シートが使われるケースが多く、将来を見据えても単層シートの技術を身につけておくべきだとずっと思っていました。社内では「あまりマーケットは大きくないし、設備投資するメリットがない」と反対されましたが(笑)、どうしても作るべきだと。
─社内の反対を押し切って作った結果はどうでしたか。
永嶋 一昨年の発売後、評判は非常に良く、受注は増えてきています。耐久性もかなり高く、抗菌性もあり、ノーワックスです。「ヒトエ ファイン」はグッドデザイン賞を受賞しました。
─供給先は非住宅向けがメインで大体6〜7割と聞いています。
永嶋 床材系、カーペット系は非住宅寄りです。塩ビ床材ではマンション共用部用に向けた商品などもありますが、使われる面積はどんどん減ってきているので圧倒的に非住宅ですね。
─床材は国内ではトップシェアでしょうし、グローバルで見てもかなり高いシェアなのでは。
永嶋 塩ビ床材とカーペット関係の分野だと、商品によって異なりますが総じて平均すると4〜5割くらいです。海外マーケットだとタイルカーペットは上位に位置していますね。
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