廃棄物処理・資源再生を担うリサイクル企業 TREホールディングス 【9247・プライム市場】

資源・エネルギーの循環を担う総合環境企業
売上高3000億円規模のリサイクル企業集団目指す

近年の環境意識の高まりにより、リサイクルを前提に商品開発を行い、資源の循環を目指すサーキュラーエコノミーに取り組む企業が増えている。2021年10月に建設系廃棄物処理のタケエイと金属リサイクルのリバーホールディングスのリサイクル大手2社が経営統合。TREホールディングス設立から3年が経ち、同社は新たに5カ年の第2次中期経営計画及び長期ビジョンを策定した。阿部光男社長に統合後の成果や、「2040年代に売上高3000億円規模実現」に向けた成長戦略について聞いた。
TREホールディングス-阿部 光男

阿部 光男(あべ みつお)

社長

1960年6月生まれ、栃木県出身。83年協和銀行(現りそな銀行)入社。2013年りそな銀行常務執行役員。17年タケエイ入社、執行役員経営企画本部副本部長。19年タケエイ代表取締役社長(現任)。21年1月TEC武隈代表取締役(現任)、9月リバーホールディングス(現リバー)取締役、10月TREホールディングス代表取締役社長(現任)。23年4月リバー取締役(現任)、6月グリーンアローズホールディングス代表取締役(現任)、9月ガラス再資源化協議会理事(現任)、12月太陽光パネルリユース・リサイクル協会理事(現任)。

5カ年の第2次中計を策定
「1+1を3以上に拡大へ」

TREホールディングスは、タケエイとリバーホールディングスが経営統合し、共同持株会社として設立された。経営統合の最大の目的は、高度循環型社会、脱炭素社会といった社会ニーズに応えるため、メーカーなどの〝市場に製品を供給する側〟と、〝リサイクル・再資源化する側〟の連携実現に向けて、規模感を大きくすることだった。2社の統合により、売上高において国内最大の産業廃棄物処理・リサイクル企業が誕生した。

設立と同時に、同社は第1次中期経営計画を発表。最終年度の2024年3月期は売上高928億6000万円(前期比2・4%増)、営業利益77億6900万円(同3・5%増)で着地した。達成率は、売上高は計画値に対し100・9%と上回ったが、営業利益は同86・3%、営業利益率は85・5%となった。セグメント別の前期売上高は、金属及び自動車・家電リサイクルを行う「資源リサイクル事業」が434億円(構成比47%)、建設系廃棄物の収集運搬、中間処理、再資源化を行う「廃棄物処理・再資源化事業」が269億円(29%)、木質バイオマス発電、電力小売、森林経営などを行う「再生可能エネルギー事業」が144億円(15%)。この3事業を柱に展開する。


 
同社は新たに5カ年の第2次中期経営計画を策定。同計画では営業利益率10%の達成へ向けて、グループ収益力の強化を図り、29年3月期の売上高1200億円、営業利益120億円を目標に掲げる。

「第1次中期経営計画は、タケエイが1で、リバーが1で、1+1は2というような計画でした。新中計は、本当の意味でのタケエイとリバーのシナジーをこの5カ年の中で最大限出して、1+1を3や4や5にしていきます。その延長線上に、2040年代には約3倍の3000億円の売上規模にしていきたいと考えています」(阿部光男社長)

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