明治電機工業 【3388・プライム市場】

製造業の改善支える技術商社
年間約1万現場の課題を解決

明治電機工業は、エンジニアリング機能を持つ商社だ。顧客の要望に合わせて3000社を超えるサプライヤーから製品を選定、工場ラインの提案・設計・開発・組立てまで一貫して手掛ける。年間1万件の製造現場の業務効率化に貢献している。1日の受注件数に換算すると40あまり。ものづくりの現場に入り続け、多岐に渡る案件をこなしている。
明治電機工業-杉脇 弘基

杉脇 弘基(すぎわき ひろき)

社長

1964年10月生まれ、大阪府出身。87年同志社大学経済学部卒業後、明治電機工業に入社。2012年、MEIJI CORPORATION取締役社長に就任。14年明治電機工業執行役員、20年取締役就任。21年代表取締役社長に就任(現任)。

厳しい製造現場で磨かれた
“最適解”出す体制と技術力

明治電機工業は、トヨタグループを主要顧客に持つ独立系技術商社である。扱う製品はセンサーなどの制御系装置、ロボットアーム、計測器など幅広い。サプライヤーはオムロンや横河電機、パナソニック、明電舎など3000社を超え、顧客の要望ごとに最適な製品の組み合わせを提案できる。これはグループ会社の製品に囚われない、独立系商社ならではの強みだ。

顧客の割合は自動車関連が50%。工作・産業機械が17%、電気・電子・半導体13%、卸売が11%、セラミック3%、その他6%と続く。売上構成比は商社機能が64%、ソリューションビジネスであるエンジニアリング機能が36%となっている。足元の業績を見てみると、2022年3月期の売上高は677億4900万円(前期比6%増)、営業利益は20億800万円(同6・1%増)で増収増益となった。

エンジニアリング機能の年間受注1万件のうち、既存顧客が占める割合は8~9割だ。残りは実績の評判を聞いての引き合いや、培ってきた技術を水平展開することで新規案件を獲得している。1件あたりの平均プロジェクト期間は約3カ月。工場の生産効率向上やラインの一部分の改良、工場全体の新設など、顧客からは大小様々な要望が寄せられる。

「お客様が抱える課題は複雑で、メーカー単体が製品を供給するだけでは解決できません。我々は商社とエンジニアリング機能の両方を持つため、様々なメーカーの製品やシステムを組み合わせて繋げ、最適な形にして提供できる。時には既存製品の改良や当社独自製品を開発して対応します。その対応力・技術力こそが当社の存在価値だと考えます」(杉脇弘基社長)

その対応力と技術力は営業・セールスエンジニア・エンジニアが案件ごとにワンチームを作る協働体制から生まれるという。同社は営業300人、セールスエンジニア120人、エンジニア150人を擁する。顧客を熟知した営業が、案件の課題に合わせてより専門的な知識を持つセールスエンジニアと最適なエンジニアを招集。営業とセールスエンジニア双方がヒアリングすることで、提案の質を高める。エンジニアは設計開発・製造・システム導入などでその提案を形にし、顧客に提供する。

現在の技術部隊は270名。同社は1980年代から技術に投資を続け、難しい課題に応えられる体制づくりを進めてきた。トヨタグループをはじめとする厳しい製造現場で培われた最適解を探す力が『自分達の抱えている課題に対して、代わりに考えてくれる会社』として顧客との信頼関係構築につながっている。

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