2つの主力事業を展開
6期連続最高益更新見込み
統合基幹業務システムを意味するERP(Enterprise Resource Planning)。企業の経営資源を有効活用するため、生産管理や財務会計、人事など基幹業務を統合することで情報を一元化し、効率化を図るシステムのことだ。
ビジネスエンジニアリングはERPの開発、導入支援を行い、売上高の約8割を製造業向けが占める。顧客は石油化学や自動車メーカー、食品、製薬まで幅広く抱えており、その5割以上が売上高3000億円以上の大手企業。同1兆円越えの企業が約2割もある。大手SIerが林立する中で存在感を示している。
同社の主力事業は、ソリューション事業とプロダクト事業の2つ。
ソリューション事業はERPの世界大手・独SAP社を始めとする他社製のパッケージを扱う。システム構築の前段階であるコンサルティングから導入支援、その後の運用保守までワンストップでサービスを行う。2021年3月期の部門売上高は、全体の5割以上を占める122億1900万円、部門営業利益は20億2700万円となっている。
もうひとつはプロダクト事業だ。独自に開発した製造業特化ERP「mcframe」のライセンス販売とシステム開発を行っている。21年3月期部門売上高は52億4900万円だが部門営業利益は14億3300万円と、自社開発ならではの高い利益率を誇る。
製造業にフォーカスし、生産・販売・在庫管理や原価管理などの機能を中心に、国内外の拠点情報を一元で管理するなど業界の「かゆいところに手が届く」機能を強化している。
「自動車に例えるならSAPは最高級車のようなもの。購入するすべての人が高級車を望むわけではないというイメージ。我々の顧客は管理レベルが高いとされる製造業が中心で、特に中堅製造業向けに見合うものがなかった中で、開発したのが『mcframe』です」(羽田雅一社長)
「日本の製造業は現場の特徴にあったシステムのためにスクラッチ開発で使い続ける企業が多い。そういったことから、サプライチェーンのIT化はまだ遅れている。大手以外の国内製造業で販売生産管理パッケージを使っている割合は4割ほどしかない。我々はそのニーズにうまく入り込んでいます」(同氏)
IT化の流れが進むといった市場環境も同社の追い風となり、21年3月期業績は売上高が178億5500万円、営業利益が20億3200万円で過去最高業績を更新。22年3月期業績は営業利益24億円を予想。SI企業として優秀と言われる営業利益7%を超えて、同10%強を維持したまま、過去最高益を6期連続の更新見込み。配当も7期連続増配の年間84円を予定。製造業に特化したSIで大きな成長を続ける同社は現在に至るまで独自の進化を遂げている。
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