三ツ知 【3439・スタンダード市場】

自動車部品用ファスナーを累計1万個展開
体質改善で若手が活躍できる100年企業へ

三ツ知は、冷間鍛造をコア技術に約1万個に及ぶ工業用ファスナーを製造するメーカーだ。なかでも自動車用部品が売上の90%を占め、付加価値の高いカスタム製品を提供している。自動車業界が大きな変革期を迎える中、同社は中期経営計画「ビジョン2021」で、既存事業の構造改革と体質改善を戦略に打ち出した。
三ツ知-中村 和志

中村 和志(なかむら かずし)

社長

1960年生まれ。2007年三ツ知入社。09年Thai Mitchi Corporation Ltd.出向、副社長、14年同社代表取締役社長。18年1月三ツ知上席執行役員、18年9月同社代表取締役社長(現任)。20年9月三ツ知製作所代表取締役社長(現任)。20年12月創世エンジニアリング代表取締役社長(現任)。

冷間鍛造がコア技術
カスタム品を1万個製造

工業用ファスナーとは、工業製品を締結する際に使うネジやボルトなどの留め金具のこと。車1台には100種類以上のファスナーが使われている。

三ツ知は1963年、自動車用ファスナーの商社として創業。71年から製造業にも着手し、日本の自動車産業の発展と共に成長した。現在は日本、タイ、アメリカ、中国の4拠点で事業を展開。売上高の約90%が自動車関連で、残りはリニアなどをはじめとするトンネルなど土木関係だ。製品は、シート用部品が約36%、ウィンドウレギュレーター用部品13%、エンジン用部品15%、そのほか足回り用やロック用部品などがある。製品数は実に累計1万個に及ぶ。

「日本の自動車メーカーには間接的に全て納品されていると聞いているので、日本の車のほぼ全てに当社の製品が入っているかもしれません」(中村和志社長)

同社のコア技術が、冷間鍛造という金属に熱を加えず常温で金型に材料を押込んで成形する加工方法だ。常温で素材をそのまま加工するため表面の仕上がりが滑らかで、また加工速度が速く生産効率が高いというメリットがある。さらに、切削加工するより材料ロスが少なく二酸化炭素削減にもつながる。この技術を中心にした一貫生産体制で、顧客のニーズに沿った完全オーダーメイドのカスタムファスナーを提供している。

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