特許技術で絶妙な締め付けを実現
手で持てるハンドナットランナ好調
エスティックは、1993年に太陽鉄工(現TAIYO)の事業部門だったナットランナ事業を分離独立して設立された。ナットランナとは、ボルトやナットを自動で締め付けする機具のことで、自動車の製造現場を中心に重機、建機、農機など様々な製品の組み立てに使われている。
取引先の約90%は自動車関連メーカーだ。創業以来、高精度なネジ締め技術にこだわり、自動車の安全性を重視した製品開発を続けている。設立時の主力製品は設備搭載型の「ナットランナ」だったが、現在はその技術を応用した「ハンドナットランナ」が売上の49%を占める。
「ハンドナットランナ」最大の特徴は、特許取得したパルス締付技術「ESTIC PULSE」により締め付け時の作業者負担を減らし、手作業で高精度な締め付けを実現した点にある。ナットランナが工場のラインなど機械に組み込んで使用するのに対し、ハンドナットランナは手持ち型のため、車内のエアーバッグや電装部品などの締付作業にも適する。また独自の機構で剛体から樹脂、アルミまで幅広い部位、材質の締め付けができ汎用性も高い。さらに作業履歴のデータを全て自動保存するトレーサビリティ機能も備えている。コードレスタイプや、微小トルク0・1N・m(ニュートンメートル)の締結に対応したマイクロタイプも揃え、価格はコントローラー、ケーブル、本体のセットで定価100万円程となる。
「当社独自のパルス技術と用途の広さが、日本及び海外のお客様にもご支持いただいて納入先が広がっています」(鈴木弘英社長)
主要納入先は、トヨタ、ホンダなど日系自動車メーカーを中心に、テスラやキャタピラーなど海外現地メーカーを含め700社以上に及ぶ。
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