「リージョン経営」で収益拡大
念願のヨーロッパ進出果たす
同社の事業セグメントは「自動車部品事業」と「セキュリティ機器事業」の2つ。うち売上高の約84%を占めるのが自動車部品事業だ。同社は1933年に自動車キーセットの製造を開始。現在では国産と海外の自動車メーカー9社を取引先に持ち、インテリジェントキーやドアハンドルなどの自動車部品を世界各地で生産している。
同社は1987年の米国工場を皮切りに海外各地に進出してきたが、業績が伸び悩んでいた。2015年に就任した現社長の川名祥之氏は、世界の主要マーケットを5つの地域に分け、地域ごとにほぼ独立した事業運営を行う「リージョン経営」を進めている。これによって収益基盤が安定し、2018年3月期には過去最高売上高を更新した。
「中国やタイで安く部品を作って北米で組み立てていたが、部品の輸出入時に為替や関税、また港湾スト等のリスクも発生していた。できるだけ海をまたがずに製品を製造・販売するために考えたのがリージョン経営。地域の中で一番大きな会社に本社機能を持たせ、ヒト・モノ・お金の移動は地域内で完結する。この方法でロスを大幅に減らすことができた」(川名社長)
2016年にはスウェーデンに本社があるASSA ABLOY AB社のカーアクセス・セキュリティ事業を買収し、ヨーロッパへも進出。18年にはやはり欧州の自動車部品会社を子会社化して拠点を増やしている。欧州の自動車メーカーとの取引実績を基礎に、アジアなど成長市場での事業拡大につなげる構えだ。
有料会員限定
続きを閲覧するには会員登録が必要です。
すでに会員の方は
ログインして閲覧してください。