コタ 【4929・プライム市場】

美容室コンサルで販売数伸ばす、ヘアケア品メーカー 資本政策に独自性、13年連続分割し流通株式3倍超

コタは上業以来20年間にわたり、増収増益の右肩基調を実現している企業だ。

2002年の上場時72円だった株価(現在株式数に換算)は現在1500円超、時価総額は20億円から470億円へと、それぞれ20倍超となった。

リーマンショック、震災、コロナ禍でも、成長を続けてきた同社。

そのビジネスモデルは、美容室を販路にした、シャンプーやトリートメントなどのヘアケア製品の製造・販売である。同社では美容室に無料で経営コンサルを行なっており、取引先の経営を改善し店頭売上を伸ばすことで、自社製品の売上拡大に繋げている。独自の営業施策、一般流通とは異なる販路を用いていることによる化学メーカーとしての強み、株価上昇を導く資本政策について、その秘密に迫った。
コタ-小田 博英

小田 博英(おだ ひろてる)

社長

1959年10月生まれ。京都府出身。 84年、サクラクレパスを退社し、コタに入社。87年、同社初の営業所である名古屋営業所(現:名古屋支店)所長に就任。 91年、総務部長に就任。95年、常務取締役営業本部長に就任。98年、常務取締役管理部長に就任。2004年、代表取締役社長に就任(現任)。15年、英和商事代表取締役社長に就任(現任)。

過去最高売上、経常利益率24%の
高収益体制を確立

コタは、シャンプーやトリートメントなどのヘアケア製品のメーカーである。製品は美容室を通さないと買えない美容室専売品。ドラッグストアやディスカウントストアなどの、小売店やインターネットでは販売していないことが特徴だ。

2023年3月期は、売上高が前期比1・3%増の88億400万円で過去最高を更新した。営業利益は同6・1%減の20億2000万円。同社では経営指標として売上高経常利益率15%以上を目標に掲げている。例年22%以上の高い水準を堅持しており、23年は24・0%となった。売上は美容室専売品の店頭販売(以下店販)売上及び、美容室で使用される業務用品の売上から構成される。内訳は、シャンプーやトリートメントなどのトイレタリーが70・7%と大半を占め、整髪料17・3%、カラー剤3・4%、育毛剤6・4%、パーマ剤1・2%、その他1・0%となっている。

「当社では『美容室の繫栄がコタの繫栄につながる』という精神のもと、事業を展開してきました。ヘアケア製品の店販は、美容室の売上・利益率の拡大、商品を気に入ってくださるお客様のリピート来店に繋がります。そしてもうひとつ、事業の軸として創業以来続けてきたことが、旬報店(じゅんぽうてん)システムを軸とした美容室への経営アドバイスです」(小田博英社長)

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