社宅に関わる一切業務を
アウトソーシング
日本社宅サービスは、大手企業の社宅管理事務の代行事業で、国内トップのシェアを有している。日本で社宅といえば、以前は「社有社宅」を指し、寮や自社物件を完備する企業が多かった。しかし、維持管理のためのコストの負担や従業員の意識変化などから見直しが続き、近年は流通する賃貸物件を借り入れ、社員に貸し出す「借り上げ社宅」が一般的だ。一方、借り上げ社宅は、物件探しから各種手続き、家賃の支払い方法などが個々に異なり、その業務は複雑化した。大手企業ともなると、3月から4月にかけての一時期に、社員の異動に関わる案件が集中し、他の業務もこなさなければならない人事や総務担当者の大きな負担となっている。
社宅管理事務の代行は、企業内で転勤者に社宅貸与が決まり、申請書類が同社に届いた時から始まる。物件探しは、同社の基準をクリアした全国の不動産会社からなるFCチェーン『日本社宅ネット』(約340店舗)からの情報を、転勤者の希望に合わせて紹介する。物件確定後の新規契約から居住中の家賃の支払い、契約更新、解約手続き、退去時の精算、入居中のトラブル対応など、社宅に関わる一連の業務を同社が企業に代わって代行する。
「大きな企業さんでは、数千から数万の社宅に関わる個別業務を、全国の異なる相手とやり取りして担当者の大変な手間となっていました。当社は社宅1戸に対し、年間1〜2万円の契約料で、当社で業務を代行します。例えば家賃の支払いでは、企業は一括で当社に総額をお支払いいただければ、当社で個別に振り分けて送金します。働き方改革が進む中、社宅業務のアウトソーシングへのニーズは年々、高まっています」(髙木社長)
社宅代行の参入企業はいくつもあるが、同社の特徴は、自社で不動産業務を行わないことだ。手間がかかる割に一つ一つの収益が小さなビジネスのため、不動産賃貸仲介業などの付帯サービスとして行う企業も多い。だが同社は、代行以外の収益を取らない独立したアウトソーサー。だからこそ、万一のトラブル時にも顧客側に立って対応できるという。
「現在、300〜400の大手企業様からの22万件超の社宅代行を委託されています。また、蓄積したノウハウによるご提案なども積極的に行っており、リピート率は95%以上、ストック件数も年々増加しています」(同氏)
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