バーコードなど自動認識タグのトップ企業 サトーホールディングス 【6287・プライム市場】

独自技術のさらなる高度化図り
2026年度に売上高1600億円目指す

サトーホールディングスは、自動認識技術やプリンタ、ラベルなどを活用し、モノやヒトと情報をひもづける「タギング」を通して、顧客の課題解決ソリューションを世界に展開する企業。同社のサービスと製品は、バーコードやRFIDタグを通し小売業、工業、運輸業、医療などあらゆる場所で利用されている。2024年3月発表の中期経営計画では、さらなる経営基盤の強化により企業価値向上を目指す。
サトーホールディングス-小沼 宏行

小沼 宏行(こぬま ひろゆき)

社長

1973年3月生まれ。東京都出身。2000年サトー(現サトーホールディングス)入社。14年サトーヘルスケア代表取締役社長。15年サトーホールディングス執行役員最高健康経営責任者。19年上席執行役員サトー代表取締役社長兼RFID事業統括。20年サトーホールディングス取締役上席執行役員。23年代表取締役社長執行役員グループCEO(現任)。

社会に不可欠な「タギング」支える
90以上の国と地域でサービス展開

多数の患者が入院する病棟では、点滴などの際、患者と薬剤、投与する看護師の3者を確認・記録する「三点認証」が不可欠となっている。この三点認証は、患者のリストバンドと薬剤パッケージ、そして看護師の名札の3つのバーコードを読み取って行う。同社は三点認証の運用システムに加え、リストバンドやバンド用プリンタ、薬剤パッケージ用ラベル、ラベルプリンタなど、必要なものすべてをソフトとハードの両面にわたって提供している。

また、スーパーやコンビニの食品にはバーコードを印刷したラベルが貼られている。同社はこれらのラベルやプリンタも取り扱う。スキャナで読み取ることで原材料や消費期限、製造者がわかるので、安心して販売・購入ができる。このようにバーコードやタグを使い、顧客の現場でモノやヒトにIDや位置などの情報を物理的にひも付けし、デジタル化された情報を活用することを「タギング」と呼ぶ。同社は自動認識ソリューションのトップランナーで、その製品は社会のありとあらゆる場所で使われている。

2024年3月期の売上高は1434億4600万円(前期比0・4%増)、営業利益103億8300万円(同17・4%増)となった。国内の他にも世界に26拠点を持ち、90以上の国と地域で事業を展開している。

同社は大きく分けて「メカトロ商品」「サプライ商品」の2つのカテゴリーでサービスを提供している。

メカトロ商品は、バーコードプリンタやラベル自動貼付機器、スキャナなどのハードウェアとソフトウェア、保守サポートなど。サプライ用品はラベル、タグ、リボンなど、リピート購入される消耗品だ。メカトロ商品は売上全体の4割、サプライ商品が6割を占める。

「たとえば食品に貼るラベルなら冷凍しても剥がれないもの、車のエンジン部品なら熱に耐えるものを作らなくてはいけない。ラベルを作って貼るだけでも様々なテクニックが必要なのです」(小沼宏行社長)

同社の強みは、多様な市場・業界の現場の課題を熟知し、その課題をタギングによって解決する方法を豊富に知っていることだ。たとえば人手不足で在庫確認時間を減らしたいという企業には、一括読み取りできるRFIDタグの導入を勧める。このように企業課題をしっかりと解決につなげることで、メカトロ・サプライ両商品の販売につなげてきた。

「プリンタ単体だけでは商売にならない。当社のスタッフが企業様の現場に深く入って、経営課題解決のお手伝いをすることでノウハウを積み上げてきた。それによって、たとえば製薬現場で学んだことを簡素化して食品分野に応用といった、他の市場への展開も進んでいます」(同氏)

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