シニア女性向け情報誌やオリジナル商品開発 ハルメクホールディングス 【7119・グロース市場】

独自の編集体制で実売部数が3倍に成長
50代のプレシニアをターゲットにデジタル事業開発

ハルメクホールディングスは「50代からの女性がよりよく生きることを応援する」を経営理念に掲げ、シニア層をターゲットに情報コンテンツや物販などのサービスを展開する。実売部数約48万部の雑誌「ハルメク」を中心に顧客開拓をしながら、自社のオリジナル商品を販売している。今後は、50~64歳の「プレシニア」層をターゲットにしたデジタル事業やコミュニティ事業を新たな成長エンジンとしていく。
ハルメクホールディングス-宮澤 孝夫

宮澤 孝夫(みやざわ たかお)

社長

1965年生まれ。東京大学大学院工学系研究科修了。82年野村総合研究所入社。92年ボストンコンサルティンググループ入社。96年テレマーケティングジャパン(現TMJ)入社。2003年同社代表取締役兼CEO就任。09年(旧)いきいき(現ハルメク)代表取締役社長就任。18年ハルメクホールディングス代表取締役社長就任(現任)。21年全国通販(現ハルメク・アルファ)代表取締役会長就任(現任)。

「ハルメク」誌で顧客開拓
物販事業が収益の柱

「心と体の休ませ方」「やめてみたらラクになったこと」「〝毎日にときめきをくれるワンピース”」─。

「ハルメク」の10月号のページをめくると、そんなタイトルが目に飛び込んできた。
同社は、雑誌「ハルメク」などでシニア女性に役立つ情報を提供する「情報コンテンツ」、オリジナル商品を開発し自社ECサイトやカタログ、店舗を通じて販売する「物販」、講座や旅行、イベントなどのサービスを提供する「コミュニティ」の3つの事業を連動させたビジネスモデルが特徴だ。雑誌を中心に顧客を開拓し、記事と連動した商品の販売や関連イベントを開催することで、顧客単価やハルメクブランドに対するロイヤリティを高めている。


▲雑誌「ハルメク」2024年10月号の表紙

▲同号特集ページの一例

 

2024年3月期の連結業績は、売上高314億1500万円、営業利益8億5700万円。雑誌と物販を含む「基盤事業」が96%を占め、その他にシニア企業向けマーケティング支援の「法人事業」と、新たなターゲットであるプレシニア向けの「先行投資事業」がある。基盤事業の内訳は、情報コンテンツが約11%、ハルメク物販が約64%、ハルメクより年齢層が上のシニア向けの通販事業「ことせ物販」が約25%と、物販が売上の8割以上を占める収益の柱となっている。

「以前は新規のお客様の獲得を雑誌に依存していましたが、今は新聞広告やECサイトで掲載した商品から入るお客様の比率が大きくなっています。最近は百貨店内の店舗に来ていただいたお客様がハルメクを知り、会員登録していただくことも増えています」(宮澤孝夫社長)

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