極東開発工業 【7226・プライム市場】

特装車製造(はたらく車)のパイオニア
EV化や省人化に技術開発力で応える

極東開発工業は、建設・物流・環境などの現場で使われる〝特装車(はたらく車)〟を主軸に、ゴミ破砕処理プラントなどの環境機器、立体駐車装置などの製造、販売、サービスを展開。タンクローリ、トレーラ、ごみ収集車など、1955年の創業以来、特装車市場をリードして来た。2002年からは海外進出を開始。現在中国、インド、インドネシアに生産工場を設け、マレーシアやベトナムなどにも拠点を持つ。同社は22年5月に3カ年の中期経営計画を発表。最終年度となる25年3月期までに連結売上高1400億円以上、営業利益率7%以上の目標を掲げている。
極東開発工業-布原 達也

布原 達也(ぬのはら たつや)

社長

1959年1月、大阪府生まれ。大阪府立大工学部卒業、1982年4月極東開発工業入社。2013年4月 執行役員技術本部副本部長、17年6月 取締役、19年6月 常務執行役員などを経て、20年6月 代表取締役社長(現任)、社長執行役員(現任) 就任。

タンクローリ・散水車etc
国内シェアはトップ級

同社の事業セグメントは「特装事業」「環境事業」「パーキング事業」の3つ。売上比率で85%を占める特装車事業は、タンクローリ・散水車、トレーラ、コンクリートポンプ車などで国内トップのシェア、またダンプトラック、ごみ収集車、テールゲートリフタなどでナンバー2のシェア率を占めている。そのほか粉粒体運搬車(バルク車)、1台積み車両運搬車(キャリアカー)など、多様なラインナップを展開する同社は、「国内では数少ない特装車の総合メーカーです」(布原達也社長)

一方、売上の10%ほどを占める環境事業は、ごみリサイクルプラントや再生エネルギープラントの開発・設計・製造・サービスを行う。

環境事業への参入は1970年、英国トレマッシェ社とごみ破砕機(パルバライザー)を技術提携したことがきっかけだった。大量かつ多様なごみ処理が社会問題化していた当時、何でも破砕することのできる『極東・トレマッシェⓇごみ破砕機』が、ごみの減容やごみ焼却施設の燃焼効率改善に効果を発揮。自治体などに導入されるようになった。現在、ごみを破砕し選別回収するリサイクル施設を全国200カ所以上に製造、納入し、業界トップクラスの実績数となっている。

パーキング事業は、立体駐車装置などの開発・設計・製造・販売と、コインパーキング駐車場運営のトータルサポートを行っている。

同社は、2002年から本格的に海外進出を開始。中国、インド、インドネシアで生産工場を稼働。マレーシア、ベトナム、フィリピン、オーストラリア、ニュージーランドなどに販売拠点を設けている。

「現在、特装車事業の売上高の約10%が海外です。インドは公共インフラの開発が進み、ダンプカーやトレーラの需要が旺盛です。インドネシアは資源国でいわゆるマイニング、採掘現場で使う大型のダンプの需要がかなり大きい。フル生産を続けています」(同氏)

23年6月、インドで新たに第2工場建設の計画を公表した。日本同様の多様なラインナップの製造し、将来的には海外での輸出拠点としての活用を目指している。

タンクローリ
給水車

▲タンクローリや給水車などの特装車を扱う

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