秋川牧園 【1380・スタンダード市場】

無農薬・無投薬の農産物を生産・加工・販売
「口に入るものは間違ってはいけない」が理念

秋川牧園(1380)は山口県に本社を置き、無農薬・無投薬の農産物の生産、加工、販売を行う。1972年に秋川正社長の父・秋川實会長が創業。現在は直営と契約農家を合わせて、鶏卵、鶏肉、豚肉、牛肉、牛乳、野菜及び加工品など約400品目を生産する。宅配企業などへの生産卸売事業と、同社自らの宅配サービス・ネットでの直販事業の二本柱で、昨今の「巣ごもり需要」を追い風に業績を伸ばしている。
秋川牧園-秋川 正

秋川 正(あきかわ ただし)

社長

1966年5月、山口県山口市生まれ。1989年、筑波大学第三学群社会工学類を卒業し、秋川牧園に入社。20 04年に専務取締役に就任。2005年、代表取締役に就任(現任)。

売上の8割は
生産卸売事業

同社は1972年に、「安心して口にできる」卵の生産・販売からスタートした。当時は、窓のない鶏舎に密飼いし、病気予防のために抗生物質を多用する養鶏場が社会問題化。"1羽の鶏、1個の卵から健康で安全なものにしたい"という思いが、創業の契機だったという。その後採卵用の鶏で培ったノウハウを活かして、無投薬、使う飼料も無農薬の若鶏を業界に先駆けて開発。この鶏肉の卸売で急成長した。

現在、自社農園と契約農家約30軒とともに、卵、鶏肉、牛乳、牛肉、豚肉、野菜など、安心・安全な農産物の生産に取り組む。さらに生産だけにとどまらず、自社工場での食肉包装や無添加の冷凍加工品の製造、そして直販事業での販売まで「食の安全」を提供する。

包装、加工も
自社工場で実施

主力商品である鶏肉を生産するのは、全体の6割が直営農場、4割が山口県・福岡県・熊本県などにある10カ所の提携農家だ。
提携農家には、自然の風や光が入る「開放型鶏舎」に1坪あたり35羽程度でゆったりと飼育するなど、同社独自の飼育規定を順守してもらう。また非遺伝子組み換え、ポストハーベスト農薬不使用の指定の飼料を使用するなど、徹底した品質管理を行う。

商品の包装、チキンナゲットや焼き鳥など、鶏肉を使った冷凍加工品も全て自社工場で製造する。

「鶏肉の価値が途切れないよう、例えば加工では本醸造の国産大豆の醤油を使用するなど、自社工場でこだわって作ります。約300人いる従業員は工場勤務が最も多く、手作りの要素も残しています」(秋川正社長)

これまで宅配企業を中心に卸売を行ってきたが、最近では安心・安全で美味しい鶏肉が評判に。オーガニックスーパー「ビオセボン」をはじめ、高級スーパーなど流通チャネルを広げている。

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