売上の8割は
生産卸売事業
同社は1972年に、「安心して口にできる」卵の生産・販売からスタートした。当時は、窓のない鶏舎に密飼いし、病気予防のために抗生物質を多用する養鶏場が社会問題化。"1羽の鶏、1個の卵から健康で安全なものにしたい"という思いが、創業の契機だったという。その後採卵用の鶏で培ったノウハウを活かして、無投薬、使う飼料も無農薬の若鶏を業界に先駆けて開発。この鶏肉の卸売で急成長した。
現在、自社農園と契約農家約30軒とともに、卵、鶏肉、牛乳、牛肉、豚肉、野菜など、安心・安全な農産物の生産に取り組む。さらに生産だけにとどまらず、自社工場での食肉包装や無添加の冷凍加工品の製造、そして直販事業での販売まで「食の安全」を提供する。
包装、加工も
自社工場で実施
主力商品である鶏肉を生産するのは、全体の6割が直営農場、4割が山口県・福岡県・熊本県などにある10カ所の提携農家だ。
提携農家には、自然の風や光が入る「開放型鶏舎」に1坪あたり35羽程度でゆったりと飼育するなど、同社独自の飼育規定を順守してもらう。また非遺伝子組み換え、ポストハーベスト農薬不使用の指定の飼料を使用するなど、徹底した品質管理を行う。
商品の包装、チキンナゲットや焼き鳥など、鶏肉を使った冷凍加工品も全て自社工場で製造する。
「鶏肉の価値が途切れないよう、例えば加工では本醸造の国産大豆の醤油を使用するなど、自社工場でこだわって作ります。約300人いる従業員は工場勤務が最も多く、手作りの要素も残しています」(秋川正社長)
これまで宅配企業を中心に卸売を行ってきたが、最近では安心・安全で美味しい鶏肉が評判に。オーガニックスーパー「ビオセボン」をはじめ、高級スーパーなど流通チャネルを広げている。
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