1年間で約400社と取引
「クリーン度は世界一と自負」
半導体製造において、ウエハ上に処理を行う前工程では発塵(ゴミ)が製品の歩留まり(生産数のうちの良品の割合)を大きく左右する。空気清浄度が一定に保たれたクリーンルームや真空空間でも装置や人からの発塵は起こり得るため、無塵化は半導体メーカーにとって欠かせない。ローツェの搬送装置はナノレベルの塵を「発生させない、持ち込ませない、付着させない」独自技術で高い信頼を得ており、国内外の最先端の半導体ウエハ工場で多数採用されている。「ここ1年で約400社とアクティブに取引があります。競合は多いですが、最先端の半導体工場で採用されているのはほぼ当社の製品。まず壊れにくい、そしてクリーン度は世界一だと自負しています。数百万円規模の搬送装置の不具合で数億~数千億円の半導体製造装置を止めるわけにいきません。最先端の工場ですと、年々製品の微細化にともない要求される数値も厳しくなっていますが、その要求に応え続けることで結果的に技術向上につながっています」(藤代祥之社長)
同社では半導体をはじめFPD(フラットパネルディスプレイ)、ライフサイエンス関連の工場内の搬送・自動化システムを幅広く手掛けるが、半導体関連が全売上高の86%を占める。2023年2月期の売上高は前期比41・1%増の945億1800万円、営業利益は同67・1%増の264億1800万円と過去最高を達成した。
国別の売上比率では中国がアメリカを超えて30%とトップになり、次いでアメリカ24%、台湾18%、韓国7%、日本は10%、海外比率は9割にも上る。半導体需要の高まり、円安の影響に加え、22年9月からはベトナムで8番目となる新工場の稼働をスタートし、搬送ロボなどの生産能力が倍増して需要を取り込めたことも好調の要因となっている。特に中国向けは前期比62%増、台湾向けは同47%増と大きく伸びている。
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