国内大手3社の一角占める
設計・調達・工事まで一気通貫
同社の事業領域は大きく分けて4つ。売上の約44%を占める「ハイテクポンプ事業」は、発電所や海水淡水化プラント、上下水道施設など向け大型ポンプや、一般産業向け小型標準ポンプを製造する。約32%を占める「プロジェクト事業」は、国や地方自治体向けの上下水道・排水施設などの、ポンプ設備全体の設計・調達・建設。約23%の「サービス事業」は、既存ポンプやポンプ設備の取替え・保守点検など。「新エネルギー・環境事業」は、風力発電や小水力発電の導入における設計・施工・メンテナンスを展開する。
「製造だけでなく、ポンプに関連するプラントを建設する事業をプロジェクト部門が担当し、『プラントEPC(設計・調達・工事)』として一括請負します。稼働後も定期的なメンテナンスまで一気通貫でサービスを提供できることが強みです」(原田耕太郎社長)
同社と同様の事業領域にある国内大手ポンプメーカーはいくつかあるが、最大手の荏原製作所はオイル・ガスといった油関係に強みを持つ。鶴見製作所は工事用の水中ポンプという特殊なポンプに強く、日機装はケミカル分野、特に人工透析のような医療関係に強いなど、各社棲み分けができているという。
ポンプはインフラ設備のため、以前は世界で2兆円産業と言われていたが、今は5兆円程度と拡大傾向になる。ただその中で医療用ポンプや農業用の水ポンプなど多種多様な用途があり、企業数も世界を見渡してみれば「例えば中国ではポンプメーカーが1万社あると言われてるくらい中小含めて数多くある」(同氏)。ただ同社のようなハイテク分野での市場は3000~4000億円程度だという。
こうした市場環境の中で同社は、1919年の創業以来、世界的ポンプメーカーとの技術提携を行うなど、高度経済成長とともに専門メーカーとしての地位を確立。80年9月に大証一部、翌年12月には東証一部に上場を果たした。現在は荏原製作所、鶴見製作所とともに国内大手3社の一角を占めるまでになっている。
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