ゼンリン 【9474・プライム市場】

歩道や段差の有無まで分かる高精細地図情報
データベース磨きに年120億円投じ続ける

住宅地図とカーナビ用地図で国内トップシェアを誇るゼンリン。法人向けビジネスを主体としており、近年では不動産や建設などの業種ごとに必要な機能をパッケージ化したオンラインサービスや、企業のDXを促進するIoTソリューションが好調だ。進行中の中期経営計画ではビジネスモデルの転換を掲げており、ストック型ビジネスの拡大を推進している。また同社が進める「知・時空間データベースによる現実世界のライブラリー化」は、将来ドローンや自動運転などで「機械が読み取る高精度地図」として活用が期待されている。
ゼンリン-髙山 善司

髙山 善司(たかやま ぜんし)

代表取締役社長

986年、ゼンリン入社。2004年営業本部副本部長、05年経営戦略室長、06年取締役営業本部長、08年代表取締役社長(現任)。

情報更新・管理に年120億円
顧客に合わせて地図情報を加工

同社の創業は1948年。住宅地図の出版が祖業だ。80年代から地図のデジタル化を行い、90年にはカーナビ用地図の提供も開始。同社2本目の柱が誕生した。2008年の髙山社長就任後、それまで別々に収集・管理していた各種地図データベースを集約・統合して一元管理する「時空間データベース」の構想に着手。これを機に同社がミッションとして掲げる「知・時空間データベースによる現実世界のライブラリー化」が始まった。近年ではIoTの普及に伴う技術の進化や顧客ニーズの多様化に合わせ、高精度地図の研究・開発や、自動運転・先進運転支援やドローンといった先進分野への取り組み、企業の業務課題を解決するソリューションサービスなど、多角的に事業を展開している。「当社では毎年120~130億円をかけてデータベースの情報を収集・更新しています。そして情報を構成・仕分けしてライブラリー化し、ユーザーごとに最適な形で提供しています。地図と一言で言っても、今は昔と違い、汎用性の高い地図を皆に提供すれば良い時代ではありません。利用用途、そして精度・鮮度などユーザーごとに異なる優先順位に合わせた、パーソナライズ化した位置情報サービスが求められています。たとえば道路情報一つとっても、歩道や段差の有無といった形状を伴う情報や、生活道路といった属性情報などを区分してストックし、ユーザーごとに必要とする情報を提供しているのです」(髙山善司社長)

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