アズーム 【3496・グロース市場】

機械式駐車場のサブリース主力に業域拡大
遊休不動産活用のプラットフォーマー目指す

アズームは、自社ポータルサイトを活用した駐車場サブリース事業と駐車場紹介事業を展開している。同社の企業理念は「世の中の遊休不動産を活躍する不動産に」。都心のマンションなどで増えている空き駐車場に着目し、駐車場を貸したいオーナーと借りたいユーザーをつなぐビジネスで急成長を遂げている。中期経営計画最終年度となる2022年9月期は過去最高業績を更新する見込み。今後も売上成長を維持し、さらなる利益率向上を見込んでいる。
アズーム-菅田 洋司

菅田 洋司(すがた ようじ)

社長

1977年1月27日生まれ。大分県出身。神奈川大学工学部建築学科。2002年タジマリフォーム(現TJMデザイン)入社。05年日本駐車場開発へ入社。09年1月ワークスメディア入社。同年10月にアズームを設立し、代表取締役社長に就任(現任)。

自社ポータルサイト
「カーパーキング」で集客

アズームの2021年9月期の業績は、売上高49億7400万円、営業利益5億700万円。

事業の主力は売上比率98%を占める遊休不動産活用事業だ。収益の柱は2つあり、ストック型の駐車場サブリースサービスが売上比率86%、フロー型の駐車場紹介サービスが売上比率約10%を占めている。

駐車場サブリースサービスは、借り手のない月極駐車場を同社が賃料保証して一括で借り上げて転貸する事業。受託している駐車場台数の9割以上が機械式駐車場だ。昇降機など機械的に上下または左右に出し入れする構造で、2階・3階建てや地下に設置される。省スペースで複数の自動車が駐車可能となり、都心部のマンションなどに多く採用されている。

都市部では、大規模な建築物には駐車施設を附置することが条例で定められている。この附置義務駐車場は全国に約344万台あるが、都心のマンションなどで空きの多い状態が続いており、約2割が空きスペースになっている。理由の1つは、車を持たないマンション居住者が増えていること。また近年は新車のボディが大型化しており、古い機械式駐車場の駐車スペースには入らないため空いているケースが多くなっているという。

同社は、機械式の空き駐車場が全国に約60万台あると見ており、そのうちの約1万6800万台(22年6月末時点)を受託している。集客の武器は自社ポータルサイト「カーパーキング」だ。約4万件の駐車場情報を掲載した国内最大級の月極駐車場検索サイトであり、車室数や賃料など直近の駐車場情報を提供している。

「サブリースサービスは、賃料収入を安定的に獲得できるストックビジネスです。当社がリーシングに強いのは、システムを自社開発していることと、ユーザーを重視した質の高いサービスを提供していることにあります。来期(23年9月期)は今期以上の受託台数獲得を目標としています」(菅田洋司社長)

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