統合で営業収益2700億円超
東海道にドミナント戦略展開
2019年9月、静岡を中心に神奈川、山梨に出店する「マックスバリュ東海」と、三重、愛知、岐阜、滋賀に食品スーパーを展開していた「マックスバリュ中部」が経営統合した。存続会社となったマックスバリュ東海は「地域との共生を、最も真剣に考える企業」という理念のもと、東西に幅広いエリアに店舗を展開していくことになる。本社も静岡県東部の長泉町から、統合後の中間点である浜松市に移転した。
同社は今年の4月に、2022年度までの中期経営計画を発表し4つの重点施策を掲た。その最初に挙げられているのが積極的な成長投資だ。成長の基本を店舗投資と捉え、新店・改装投資に約260億円を見込む。3カ年での新店出店は約40店、改装は約65店を予定している。
同社が重点エリアとしているのは愛知県三河と静岡県中西部だ。「このエリアは旧マックスバリュ東海と旧マックスバリュ中部の商圏の境目にあたり、同社店舗の少ない空白地域となっていました。この課題を解決するため、当社はこのエリアに多数の店舗を出店することによるドミナント形成を計画し、新店40店のうち約6割をこのエリアに集中していく予定です」(神尾啓治社長)という。
ドミナント形成に当たっては、1つのエリア内に複数タイプの店舗を展開する方法をとる。客が毎日買い物をする地域密着型として店舗面積約400〜600坪程度の店を置き、その隙間に約150〜200坪の小型店を配置。都心部あるいは行政区の中心部には、地域密着型店舗の商品より上質・高付加価値の商品を提案する、600坪以上の広さを持つ旗艦店を置くというものだ。
「旧両社は県単位ではつながっていたものの、物流面では分断されていた。今後はこの東海道に切れ目のないドミナントを形成して、商品、物流、人事交流などで本格的な統合効果を出していきたい。浜松に本社を移転したのも、この重点エリアの中に本拠地を置き、地域や地元企業に対して発信していくためです」(同氏)
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