船舶用電子機器で首位 古野電気 【6814・プライム市場】

新造船ラッシュで業績絶好調
サービス強化と社内DX推進で利益率向上へ

古野電気は、大型商船・漁船・小型ワークボートなどの船舶に、航海機器や通信機器を提供している。世界80カ国以上を網羅する販売・サービスネットワークは唯一無二であり、商船向けレーダーでは世界シェア41%、漁船向け電子機器では同49%のニッチトップ企業である。24年2月期は、20年に1度の新造船ラッシュが追い風となり、売上高・経常利益・最終益で過去最高を更新した。一方、営業利益は前期比327%増で増益したものの、改善点も多く伸びしろがあるという。
古野電気-小池 宗之

小池 宗之(こいけ むねゆき)

副社長(取材当時)

1957年生まれ、大阪府出身。名古屋工業大学工学部卒業。85年古野電気入社。2002年舶用機器事業部国際部長、05年取締役、16年専務取締役を経て、21年取締役副社長執行役員兼CMO就任。24年顧問に就任(現任)。

顧客は商船4割、漁船3割
海外売上比率が7割占める

大型商船の操縦室では、航空機のように幾つもの大型ディスプレイが並び、航海に必要な情報が表示されている。同社はこの「次世代ブリッジシステム」をはじめとする船舶用電子機器のトップメーカーだ。商船向けレーダーの世界シェアは41%、漁船向け船舶用電子機器は同49%を獲得している。

同社の売上構成は船用事業が85%を占め、産業用事業、無線LAN・ハンディターミナル事業が15%を構成する。主力の船用事業の顧客構成比は、商船4割、漁船3割、プレジャーボート1・5割、官公庁船等が1・5割。海外売上比率は7割を占めている。

2024年2月期は売上高が創業来初めて1000億円を突破し、前期比25・8%増の1148億5000万円、営業利益は同327・8%増の65億1900万円で着地。売上高・経常利益・最終益で過去最高を更新した。

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