学研ホールディングス 【9470・プライム市場】

教育の老舗、医療福祉との二本柱で事業を展開
保育園最大手JPと提携、幼児から囲い込みへ

戦後の創業期からの出版事業で培ったブランド力を武器に、長年教育事業を展開してきたのが学研HDだ。現在は医療福祉事業というもうひとつの柱も加わり、乳幼児から高齢者まで、幅広い年代層にアプローチしている。学研HD常務取締役で教育戦略担当でもある福住一彦氏に、同HDの教育事業の現在とこれからについて話を聞いた。
学研ホールディングス-福住 一彦

福住 一彦(ふくずみ かずひこ)

常務取締役

1957年8月生まれ、兵庫県出身。80年3月神戸教育研究センター(現・創造学園)入社。2000年3月 学校法人創志学園愛媛女子短期大学副学長。10年7月学研エデュケーショナル代表取締役社長。14年8月学研塾ホールディングス代表取締役社長(現任)。学研ホールディングス執行役員、上席執行役員、取締役を経て、20年12月 同社常務取締役(現任)。

教育分野の売上は787億円
前期売上高のうち6割占める

学研HDの2020年9月期の売上高は1435億6400万円、営業利益は50億7500万円。今期、21年9月期の売上高は1470億円、営業利益は60億円の見通しだ。

学研は1946年、創業者である古岡秀人氏の、「戦後の復興は教育をおいてほかにない」という強い信念から始まった。祖業は「学習」と「科学」に代表される教育分野の出版事業。80年からはオリジナルの教材を使った「学研教室」の事業を展開し、その後、学習塾・進学塾や家庭教師の派遣も開始する。一方で、少子高齢化という社会課題が表面化するなかで、2004年からは高齢者福祉事業のマーケットに参入。医療福祉分野は同HDの売上V字回復に寄与し、現在では第2の柱として同HDを支えている。

このように、同HDが展開する事業(セグメント)は教育分野と医療福祉分野の2つである。前期の売上比率は、教育分野が787億1000万円、医療福祉分野が607億8600万円で、およそ6対4の割合となっている(※20年9月期実績)。

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