杭打ち工事に関わる建設機械や技術を販売 技研製作所 【6289・プライム市場】

杭の反力を利用した技術を開発 成長のカギは工法のさらなる普及

 1967年創業の技研製作所は建設機械の販売だけでなく、独自の技術を用いた工法を公共事業主などの発注者に提案することで市場を形成し、事業を展開する。特殊なビジネスモデルの同社は2024年3月期までの中期経営計画で売上高350億円を掲げ、30年には1000億円を目標としている。成長に向け、重要となるのが海外での工法普及、市場形成だ。
技研製作所-森部 慎之助

森部 慎之助(もりべ しんのすけ)

社長

高知県出身。1974年、高知県庁入庁。2012年6月、技研製作所入社。同年10月、同社執行役員工法事業部長兼GTOSS営業本部副本部長兼JPA推進室長、16年、同社取締役副社長などを経て、20年、同社代表取締役社長就任(現任)。

圧入技術〟を提案
付加価値高い案件増加

同社のビジネスモデルは特徴的だ。杭打ち工事に関わる建設機械を単に生産・販売するのではなく、自然災害に耐えるインフラへの更新など社会課題を解決する構造物や工法を、発注者である国などの公共事業主、デベロッパーなどに提案。独自の圧入技術(※)だからこそ課題を解決できる付加価値の高い工事案件を増やし、実際に施工する建設会社へ機械やノウハウを販売している。具体的には、堤防や護岸、岸壁の補強・新設、道路拡幅や地すべり抑止杭等、国土強靭化関係を中心に採用が広がっている。

「ユーザーである建設会社さんへの機械販売は単価も大きいのですが、当社は技術を売る会社。発注者への技術提案が採択まで進み、発注される案件数を増やしていくことが重要です」(森部慎之助社長)

展開するセグメントは二つ。製品販売や保守を中心とした建設機械事業と新しい機械・工法の実績を作る開発案件を含め、発注者への技術提案によって発注された工事を行う圧入工事事業で構成される。売上の割合としては、建設機械事業が全体の7割、圧入工事事業が3割ほどとなっている。

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