油圧ポンプやバルブを開発
1960年代から海外進出
油圧機器とは、油の圧力を利用して動力を伝達する装置のこと。小さな体格で大きな仕事ができることから、建設機械や土木機械、産業機械、航空機、船舶など社会を支える様々な機器に幅広く使われている。
油研工業は、油圧機器の中でも工作機械や射出成形機などの産業機械向けが主力。同社は1956年に設立し、62年に東証二部に上場。70年に東証一部に上場した。60年代に中国、台湾、また70~80年代にインド、香港、イギリスに進出した。2000年以降は韓国、タイ、アメリカへとグローバル展開を加速。現在、国内(2工場)、中国、台湾、インド、イギリスに生産拠点を持つ。
同社の事業は大きく3つに分かれている。1つ目は、油圧を発生させる油圧ポンプや、油の圧力・流量・方向を制御する油圧バルブ(弁)などの「油圧製品」事業。油圧製品事業は、同社単体(日本)売上の約6割を占める主力だ。特に油圧機器の遠隔操作に欠かせない比例電磁式制御弁や、省エネ性に優れた回転数制御形ポンプなど、製造業のニーズに合わせた高付加価値製品の開発・製造で知られる。
■主要製品の例
これにより高精度の圧力と流量特性を得られる
2つ目は、油圧機器や電動機、付属機器などを組み合わせた「油圧ユニット」事業だ。鉄鋼や産業機械などの大手メーカーに採用され、生産を支えている。油圧ユニット事業は単体売上の約25%を占める。
「お客様の生産技術や製品特性に合わせて開発し、カスタマイズ化した油圧ユニットを供給しています。他社に代えられない高い技術を持っていると評価いただいています」(永久秀治社長)
3つ目は、油圧を利用してペットボトル、廃プラスチック、金属切屑などの圧縮装置を展開する「環境関連機器」事業だ。
なお、単体売上のうち25%は輸出で、残り75%が国内での販売となる。
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