フィリピン通信需要急増
アイ・ピー・エスは、年々重要性が高まる通信技術と、成長著しいフィリピン市場の2つをベースに、近年業績を急拡大させている。2021年3月期は、18年の東証マザーズ上場以来3年連続で過去最高の売上高95億円、営業利益19億円となった。22年3月期見通しは売上高が111億円、営業利益は24億円と、ともに前期比二桁増を予定する。
21年3月期売上高をセグメントで分けると、①海外通信事業が45%、②フィリピン国内通信事業が9%、③医療・美容事業が6%、④国内通信事業が39%となる。業績好調の主因は、セグメント売上が前期比3・4倍と躍進した①海外通信事業だ。
1991年に創業した同社は、過去に在留フィリピン人に対して国際電話のプリペイドカードやタガログ語新聞などを販売していた。そのノウハウを用いて、2010年頃から本土で事業を展開。12年に開始したのが、フィリピンのケーブルテレビ(CATV)事業者向けに国際通信回線を提供する海外通信事業である。CATV事業者は仕入れた回線を一般家庭に供給すると、各家庭で海外コンテンツが視聴できる。英語話者が多い同国では、米国エンタメなどの需要が多い。同社の参入は比較的後発ながら、既に首都マニラでCATV事業者全17社に提供するなど、シェアを年々高めている。
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