日本最大級の診療
データベースを蓄積
同社グループの2020年12月期業績は、売上高が前期比13.7%増の45億7900万円、営業利益が同41.6%増の11億4600万円。セグメントは医療データ事業のみだが、細かくみると①データネットワークサービスと、②データ利活用サービスに分けられる。
売上全体の35 %に当たる①のデータネットワークサービスは、医療機関に経営支援システムを提供すると共に、医療機関および患者から二次利用の同意を得た上で医療・健康情報を収集・蓄積する事業。主軸システムは、病院経営を支えるDPC分析ベンチマークシステム「EVE」だ。
そもそもDPCとは、03年に厚生労働省が導入した、急性期入院医療を対象とする医療費の制度(会計・請求方式)のこと。それ以前の診療報酬では、診療行為をひとつひとつ積み上げ計算する「出来高請求」を基本としていた。しかしDPC方式が導入されたことで、1日あたりの定額と出来高を合計する「包括請求」となった。
「EVE」の特長は、出来高請求からDPC(包括)請求に移行した場合、どのような変化が起きるのかを可視化した点と、患者数・在院日数・診療行為などの各種指標を疾患別・症例別に分析したり、他院と比較したりすることができる機能を搭載した点だ。
「それぞれの病院のデータをもとにして比較すると、同じ疾患でも差が出てきます。『他の優秀な病院はこういう処置をしている』とか、『ドクターがこうしたら収益がこう変わる』ということを、具体的に伝えられるようにしました。当社はこうしたシステムの先駆けでありシェア1位。ユーザーもDPC病院の約45%が僕らのユーザーになっています」(岩崎博之社長)
初期導入費用は400万円、月額保守費用は月あたり5万円。DPC対象病院化を目指す病院のニーズと合致してシェアを拡大、現在では全国の772病院(※20年12月末時点)に採用されている。
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