1922年創業の鉄骨・橋梁大手 川田テクノロジーズ 【3443・プライム市場】

“建設現場をテックで変えたい”
高利益率の「協働ロボット」が成長の要

2022年にグループ創業100周年を迎えた川田テクノロジーズ。橋梁・鉄骨を主軸に事業を展開する同社が現在、成長のために注力しているのが製造現場に導入するための「ヒト型ロボット」の開発だ。なぜ橋梁の老舗企業である同社がロボット開発に注力するのか。そこには創業時から脈々と流れる精神がある。
川田テクノロジーズ-川田 忠裕

川田 忠裕(かわだ ただひろ)

社長

米サン・ディエゴ州立大学大学院航空宇宙工学専攻修了。1985年、川田工業入社。取締役航空事業部長、常務取締役管理本部副本部長兼航空・機械事業部長などを経て2005年、川田工業代表取締役社長(現任)。09年川田テクノロジーズ代表取締役社長(現任)。13年カワダロボティクス代表取締役社長就任(現任)。

「鉄構」主力に事業展開
2009年には商号変更

川田テクノロジーズは2023年3月期売上高1180億8600万円(前期比13・8%増)、営業利益50億2500万円(同21・6%減)で着地した。同社は「鉄構」「土木」「建築」「ソリューション」4セグメントとその他事業を展開。

主力の「鉄構」セグメントは鋼製橋梁の設計・製作・架設工事と、東京スカイツリー・東京ミッドタウン八重洲などの超大型鋼構造物に使われる鉄骨の製作から建て方工事まで一貫して請け負う建築鉄骨等を展開。23年3月期のセグメント売上は560億7100万円となっている。
「土木」セグメントはPC(プレストレスト・コンクリート)(※1)製の桁を使用した橋梁を中心とした製造・建設工事を行う。同セグメント売上は350億3500万円。
「建築」セグメントは一般建築とともに、軽量鉄骨を活用したシステム建築を得意としており、工場や倉庫に強み。同セグメント売上は141億5800万円。
「ソリューション」セグメントでは建設DXの基盤となるソフトウェア販売やICT事業と生産工場等で協働するヒト型ロボットの開発・製造・販売などを展開する。同セグメント売上は63億7100万円。

その他事業ではヘリコプターと飛行機による定期便運航などの航空サービスを展開。同事業全体での売上高は79億8900万円となっている。

売上を牽引するのは「鉄構」「土木」「建築」だが、利益では「ソリューション」の存在感が目を引く。売上構成では僅か5%の同セグメントが利益構成は全体の25%を占める。
「2009年に上場企業としての商号を川田工業から川田テクノロジーズに変更(※2)しました。社名に『テクノロジー』を冠したのは『建設現場をテックで変えたい』という思いがあってのものですが、現在の成長ドライバーである『ソリューション』事業に注力していく思いともマッチしています」(川田忠裕社長)

※1 事前に圧縮力を付加することでひび割れを防止し、従来のものより耐久性に優れたコンクリートのこと。
※2 株式を移転して川田テクノロジーズを設立。川田工業は川田テクノロジーズの完全子会社に。

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