時代に合わせて4事業を展開
主力は自動車部品製造ライン
豊和工業の前身は、1907年に動力織機の製造を目的として創業した豊田式織機株式会社だ。現在は主に「工作機械関連」「火器」「特装車両」「建材」の4事業があり、対売上高比率はそれぞれ、35・6%、15・4%、14・5%、15・0%となっている。
全体の3割超を占める工作機械関連事業で同社が得意とするのは、自動車部品の製造ライン一式の設計・製造で、主に四輪・二輪用部品加工ラインが多い。これまでスズキやホンダ、SUBARUなどの完成車メーカーの国内外工場、Tier1以外の部品サプライヤーなど国内外の累計50社に納入してきた。
「ラインの受注は、新車種発表やモデルチェンジの3年ほど前からスタートします。図面に基づき、製品に要求される精度、年間製造個数から割り出した『サイクルタイム』(※1)などを実現することが重要です。求められる保証範囲は広いですが、その分1ライン当たりの利益は大きい」(塚本高広社長)
工作機械に次ぐ火器は、国内唯一の小銃メーカーである同社を代表する事業だ。戦前から旧日本軍の要請で小銃を納めていた歴史があり、現在も自衛隊向けに小銃や迫撃砲などの防衛装備品を製造する。
「小銃は64年に64式7・62㎜小銃を、89年に89式5・56㎜小銃、そして2020年には当社が開発したHowa5・56が20式5・56㎜小銃として陸上自衛隊に正式採用されました」(同氏)
加えて事業の安定化と更なる成長を目的に、1980年頃から海外市場向けスポーツライフルの事業も展開。米国では性能と品質の良さに定評があり、「Howa」ブランドが浸透しているという。
(※1)1つの製品の製造にかかる時間
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