川中で生地の付加価値高める
海外売上比率4割
小松マテーレは合成繊維の精練、染色、加工を行う。
「我々はファッション・アパレルの世界では川中と呼ばれている部分を担っています。生地に対して、染色や特殊加工を施して付加価値を高めた生地を生産しています。その生地を使ってアパレルメーカーが衣料品を生み出します」(佐々木久衛社長)
同社はわずかな色味や風合いにこだわり、ファッショナブルで情緒的な表現を重視するアパレル分野を主戦場としている。その他、インテリアやメディカル、建材まで幅広く事業を展開する。
直近の2023年3月期売上高は354億3800万円。海外売上比率は4割だ。売上の内訳は、衣類ファブリックが7割超を占める256億円。インテリアなど資材ファブリックが2割で79億円、オリジナル製品を製造販売する製品が4%の14億円、その他が1%の4・6億円となっている。
衣類ファブリックは前期比18・1%増。ファッション・スポーツ・民族衣装の分野があり、ファッションと民族衣装が前期比2割超増となった。民族衣装は主に中東のイスラム教徒の男性がまとう“トーブ”で、同社は高いシェア(世界約24%、国内約70%)を持つ隠れたガリバーだ。
「色は、白の中でも約100色、風合いは数十種類を用意しています。徹底した品質管理でこの数を実現させています。抗ウイルス性や、ひざをついて祈る時も汚れにくい素材など、機能性や着心地を追求している」(同氏)
世界の有名高級ブランド、大手スポーツメーカーが軒並み同社の生地を採用する中、国内からもオファーを受けている。『ダントツ撥水』ブランドで展開している同社生地がファミリーマートのパーカーで採用、販売されたのだ。
「撥水性能は昔からある技術ですが、当社はこの機能・商品分野において極めて高い技術を有している。接地面を小さくすることで水滴が球状になりわずかな傾きでも流れ落ち、長時間水が浸み込みにくいのが特徴です」(同氏)
有料会員限定
続きを閲覧するには会員登録が必要です。
すでに会員の方は
ログインして閲覧してください。