やまびこ 【6250・プライム市場】

小型屋外作業機のトップメーカー北米中心に海外での更なる成長目指す

刈払機やチェンソー、落ち葉を飛ばすパワーブロワなど小型屋外作業機械(OPE※)のトップメーカーで、グローバルに事業を展開しているやまびこ(6250)は、2月12日に2022年12月期を最終年度とする3か年の新たな中期経営計画を発表した。主力のOPEを中心に事業拡大を図る狙いだ。ここではその詳細について読み解いていく。
やまびこ-永尾 慶昭

永尾 慶昭(ながお よしあき)

社長

1953年生まれ。1978年4月共立(現 やまびこ)入社。2008年12月 やまびこ執行役員、2009年10月 同社取締役兼執行役員産業機械本部長、2011年6月 同社代表取締役社長兼執行役員、2012年6月 同社代表取締役社長執行役員(現任)。

海外売上比率は6割超
世界約90カ国で展開

山の神である〝山彦〟に由来する社名を冠する同社は、「共立」(1947年創業)と新ダイワ工業(1952年創業)の2社が2008年に経営統合して生まれた会社だ。「KIORITZ」「Shindaiwa」「ECHO」の3ブランドで事業を展開している。

19年12月期の売上高は約1209億円。国内は464億円で、海外が744億円と、海外比率が高い。世界約90カ国でビジネスを展開しており、特に北米のウェイトが大きいのが特徴で、全体の売上高の約5割を占めている。

主力事業であるOPE事業は売上構成比で6割超を持つ。(主に小型のエンジンを動力源としており)刈払機やチェンソー、パワーブロワ、ヘッジトリマーなどの製品が、林業・農業は元より、庭の管理などで多く使われている。北米でのウェイトが大きいのは、米国の郊外にある一般住宅には広い芝生や庭木が多く、使用頻度が高いことが理由に挙げられる。また、米国では庭の管理を業社に委託することも多く、同社の製品はそうしたプロユーザーをメインターゲットにしている。

同社は動力源としているエンジンを素材であるアルミを溶解するところから、鋳造処理、機械加工、組立まで一気通貫で生産する体制を整備。独自の一貫生産体制をベースに、軽量化・安全性といった付加価値の高い製品の開発に取り組んでいる。また、同社は排出ガスを4年間で約8割低減させるというEPA(米国環境保護庁)が定める厳しい排出ガス規制にも対応するなど、環境対応にも力を発揮している。

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