モーター巻線設備で国内トップ 小田原エンジニアリング 【6149・スタンダード市場】

完全受注生産で高付加価値製品を提供
技術開発で海外企業との差別化図る

小田原エンジニアリングは、モーター用巻線設備の国内トップメーカーだ。同社の2023年12月期連結業績は、売上高147億300万円(前期比4・4%増)、営業利益20億1200万円(同108・0%増)。電動車(xEV)※の販売台数増加を含めた車載用全自動モーター巻線システムが好調だったことや円安の影響を受け、売上高・営業利益ともに過去最高を更新した。モーター巻線機の市場規模は、自動車の電動化に伴い急速に拡大しているが、海外メーカーとの競争も激化している。同社では競争力強化に向けたさらなる技術開発に注力する。
※xEV 諸外国では動力源が電動化された自動車の総称
小田原エンジニアリング-保科 雅彦

保科 雅彦(ほしな まさひこ)

社長

1960年2月生まれ、神奈川県出身。82年小田原エンジニアリング入社。2011年小田原オートメーション長岡取締役(現任)。13年多賀製作所取締役(現任)。20年Odawara Automation Deutschland GmbH Geschaftsfuhrer(現任)。21年小田原エンジニアリング代表取締役社長(現任)。22年ローヤル電機代表取締役会長(現任)。23年Odawara Automation Inc. CEO(現任)。小田原機械工程(広州)董事長(現任)。

車メーカー中心に輸出8割
前期末受注残は約170億円

同社の事業セグメントは、売上の約67%を占める「巻線機事業」と約33%を占める「送風器・住設関連事業」。主力の巻線機事業の特徴は、単体機だけでなく巻線機の前後工程を含めたラインシステムを、顧客のニーズに応じて完全受注生産している点だ。開発から生産・製造、アフターメンテナンスまで自社で手掛け、モーター用巻線機では国内トップシェア、世界でもトップクラスのシェアを誇る。

主な取引先は、国内外の大手自動車メーカーをはじめ、国内の大手家電メーカー、産業機器、OA/AV機器、医療機器メーカーなど。海外輸出比率は約8割を占める。

直近の2024年12月期第2四半期の連結業績は、売上高46億3500万円(前年同期比41・5%減)、営業利益4億6700万円(同64・4%減)と減収減益で着地。xEV車用モーター巻線システムのいくつかの案件の売上が下期以降の計画となっていることや、送風機・住設関連事業の低調による。

巻線機事業は完全受注生産で、案件ごとに顧客の設備計画や発注タイミングなどが変わるため、業績が四半期ごとに平準化されないという特性がある。
「巻線機は一案件あたり30億円のものもあり、売上計上までには長ければ3年かかる場合もあります。受注残は来年の売上予定のものまであり、前期末で170億円あります」(保科雅彦社長)

有料会員限定

続きを閲覧するには会員登録が必要です。
すでに会員の方は
ログインして閲覧してください。

ログイン 会員登録 SEARCH