海底ケーブルを建設
陸の孤島にさせない
同社の2020年3月期の営業収益は前期比1.5%増の680億円、営業利益は7.9%増の139億円。8期連続の増収増益と、コロナ下においても好調が続く。
同社は1991年、沖縄の経済発展を強く願う地元の財界、有力企業40数社とKDDIの出資を受けて誕生した総合通信事業社だ。地元発の企業として常に沖縄を向いた経営で、地元の人々からも信頼され、順調に事業が拡大した。1997年にはJASDAQに上場し、KDDIグループ傘下にありながら唯一、再編統合の対象から外れた。
沖縄では160ある島のうち47が有人島だが、同社では基地局の整備を行い、離島であっても精度の高いネットワーク環境を提供する。また昨年は、東シナ海ルートで沖縄〜九州間の約780キロを結ぶ海底ケーブルを自費で建設し、今年4月から運用を開始している。地方企業がこうした工事を主導するのは世界的に見てもほとんど例がない。
「既存の太平洋ルートだけでは、南海トラフ地震など大規模災害や5Gを見据えた時に十分ではない。沖縄が陸の孤島にならないための対策です。グローバル企業の他社さんにとっては“世界の中の沖縄県”ですが、当社は沖縄だけを考えていますから、決定力とスピード感が違います」(湯淺英雄社長)
新設されたケーブルは他社キャリアへもバックアップとして有償で貸し出す。同社では毎年約60億円を沖縄でのサービス開発、設備投資に費やしている。
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