医療保険適用サービス提供
直営84、FC281店舗展開
同社が提供する在宅マッサージは、主に自宅療養中の高齢者を対象にした、医療保険が適用できるサービスだ。創業から19年目の上場を機に、FCによって出店を加速。直営84店舗、FC281店舗を展開している(23年3月期第2四半期末時点)。2023年3月期の売上高は46億8400万円を見込む。売上比率は、直営が約70%に対し、FCは約17%。FCオーナーの個人・法人比率は半々。社会貢献性が高く、長期的に運営できるモデルのため、近年は、地場の有力企業が新規ビジネスとして加盟するケースが増えているという。
同社の事業の特徴は、国家資格を持つマッサージ師が施術を行うこと。いわゆるマッサージ店や訪問介護と異なり、医療行為になる点だ。「病院の一部の機能を切り出しているというイメージです。よく『介護保険でしょ』と聞かれますが、医療保険だとわかると週2回とか3回とか使っていただけます」(澤登拓会長)
利用者は高齢者だけでなく障がい者や生活保護者の利用も多いという。料金が1回あたり300円~400円と安価のため、リピーターになりやすく、ストックビジネスのため収益の安定性が強み。「当社は創業から22年ですが、コロナ禍の1年間以外は、一回も売上が落ちたことはない」(同氏)
同マーケットには複数の企業が参入しているが、他社の追随を許さない。要因に挙げられるのが、品質のコントロールと、参入障壁の高さにあるという。
「無資格のマッサージでは全国展開しているところはありますが、我々は国家資格者の仕事です。医療保険はレセプトの手続きが面倒ですし、スタッフ教育も、肩もみマッサージと違いますから、ノウハウを積み上げていかないとなかなか難しいと思います」(同氏)
このビジネスは、人材によるところが多い。同社も医療保険を使っているため、FCでは品質のコントロールが難しいと、当初は直営店での出店に注力してきた。
「しかし19年の上場に合わせ、品質管理できる体制も整ったので、FC展開にゴーサインを出しました。同業他社をM&Aしたこともあり、店舗数を急激に増やしたのです」(同氏)
同社は、スタッフ教育には以前より注力してきた。上場前から少しずつ作ってきた教育システムを確立。今では全社員にiPadを配り、Eラーニングを実施している。
「現在は600タイトルあり、誰が何を勉強しているかを全て可視化しました。実技は、年1回指導者がチェックをします。マッサージ動作を細かく分けて、150項目で点数付けしています」(同氏)
技術と知識を見える化したというのは、鍼灸マッサージ業界で初めてだという 現在、同社では700人が在籍しているが、うちマッサージ師の有資格者は270〜280人。FCも含めるとグループ全体では1000人を超える。一般的な治療院では人件費率70%だが、「当社も大きくは外れていません。その他の経費が合計でも10%かかるかどうかの範囲。20%は利益が出せるモデルになっています」(同氏)
有料会員限定
続きを閲覧するには会員登録が必要です。
すでに会員の方は
ログインして閲覧してください。