中央倉庫 【9319・プライム市場】

国内外にBtoB総合物流網を展開
企業価値向上施策へ転換図る

中央倉庫は、1927年に京都の中央市場倉庫として創業。以来、倉庫業を中心に国内からアジア・東南アジアをはじめとした海外まで、B to Bの物流ネットワークを展開している。安定的な顧客と豊富なアセットを有する同社だが、近年は、不動産賃貸業やソリューション型営業で運営パートナー契約を獲得する等、新ビジネスにも参入。2024年度を最終年とする中期経営計画を発表した木村正和社長に、新戦略について聞いた。
中央倉庫-木村 正和

木村 正和(きむら まさかず)

代表取締役社長就任

1957年4月生まれ、大阪府出身。80年3月大阪市立大学 経済学部を卒業し、4月三和銀行(現三菱UFJ銀行)入行。10年5月中央倉庫に入社。同年6月取締役、13年6月常務取締役営業統括本部長等を経て、17年6月代表取締役社長就任(現任)。

総合物流ネットワーク構築
倉庫の9割は自社保有

中央倉庫は、貨物の保管、輸送、流通加工、通関、輸出、梱包、トランクルーム等の総合物流サービスを提供している。本社のある京都のほか、滋賀、大阪、東京、名古屋、北陸、岡山に支店、福岡に事務所があり、営業所は全国に約25カ所。倉庫は近畿・東海・関東・中国・北陸地区を中心に総営業面積約28万㎡に及び、その約9割は自社保有だ。また中国の上海に海外事務所を設けている。

事業は、祖業の『倉庫部門』を主軸に『運輸部門』『国際貨物部門』と2022年度から『不動産賃貸業』が加わった。倉庫部門は、原料から製品まで多品目を取扱い、貨物の特性に合わせ最適な状態で保管するとともに検品、梱包等の流通加工機能で顧客のニーズに対応。単なる保管だけはなく、付加価値を高める現場力を有している。運輸部門は、子会社の中倉陸運と地域密着のネットワークを活用した輸送サービスを全国で展開。また設備・機械の輸送から、搬出入・設置に至る機工事業を行う。国際貨物部門は、輸出入手続き代行から貨物運送のフォワーディング、集荷、保管・管理、輸出梱包、流通加工、配送まで一貫サポート。梱包に高い技術をもつ専門部隊もある。
「上場倉庫業界では準大手になりますが、輸入業務も含め、全ての機能を有しています。ただ、倉庫業はBtoB物流が中心。自社便は区域が中心で、いわゆる最後のラストワンマイルのところは扱っていません」(木村正和社長)

新セグメントの不動産賃貸業は、梅小路京都西駅徒歩1分の自社の倉庫跡地に、和をコンセプトとした地上6階のホテル『京都梅小路花伝抄』を建設。22年3月より、共立メンテナンスが運営している。

有料会員限定

続きを閲覧するには会員登録が必要です。
すでに会員の方は
ログインして閲覧してください。

ログイン SEARCH