会計事務所・地方公共団体向けクラウドシステム支援 TKC 【9746・プライム市場】

国内会計事務所の約35%が顧客
DX化や法律改正を追い風に業績拡大

会計事務所と地方公共団体の業務を、「FXクラウド」「TASKクラウド」などのサービスで支援するTKC。PCが普及する以前の1960年代から事業を始め、今では国内会計事務所の約35%が使用するまでに拡大した。地方公共団体の業務クラウド化や、法改正による企業納税申告電子化により、同社のシステム利用者は今後も広がる見込みだ。
TKC-飯塚 真規

飯塚 真規(いいづか まさのり)

社長

1975年生まれ。2002年TKC入社。10年取締役執行役員、会計事務所事業部企業情報システム営業本部担当兼Gプロジェクト推進本部長。12年取締役常務執行役員、会計事務所事業部企業情報システム営業本部長。14年代表取締役専務執行役員、会計事務所事業部営業本部長。19年代表取締役社長執行役員、会計事務所事業部長、TKCカスタマーサポートサービス代表取締役社長(現任)。

法律に準拠した業務向けのサービス
会計事務所、地方公共団体に浸透

同社は「FXクラウド」「TASKクラウド」などのサービス名で、会計業務や税務申告、行政効率向上などのための情報サービスを提供する。2023年9月期の売上高は719億1500万円(前期比6%増)、営業利益143億3800万円(同7・4%増)となった。

提供するサービスの売上は主に4つから成る。売上の約4割を占める「コンピュータサービス」では、自社のデータセンターおよび全国に設置した情報センターによる情報処理サービスを展開。売上の約4割を占める「ソフトウェア」では、自社開発する会計や税務申告、業務用ソフトウェアを提供する。また同社の情報サービスの利用に伴うシステム機器を販売する「オフィス機器」売上、そして専門スタッフによる研修やシステム導入支援などの「コンサルティング」売上が、それぞれ売上の約1割を占めている。

顧客別の売上は、約7割が会計事務所向け事業、3割が地方公共団体向け事業となっている。

「当社は会計事務所と地方公共団体に貢献するために、自社のデータセンターを基軸としたクラウドサービスを提供しています。法律業務に準拠して業務を行うお客様に対し、そのコンプライアンスを当社のサービスで完全に担保できるようにするのが基本スタンスです」(飯塚真規社長)

同社のサービスは会計事務所やその関与先企業、地方公共団体に深く浸透。全国約2万8000の会計事務所のうち、約35%がTKCのユーザーだ。TKCシステムを利用し、「黒字決算と適正申告」を目指す税理士・公認会計士が組織する「TKC全国会」は会員数が1万1400名となっている。

TKC全国会の会員は全国約63万社の中小・中堅企業の法人税電子申告をTKCシステムで実践。約20年前から上場企業向けにも税務や会計システムを提供している。その結果、日本の売上トップ100社のうち、9割超でTKCシステムが導入され、上場企業の43%でも同社のシステムが導入されている。一方、地方公共団体向けに提供する「TKC行政クラウドサービス」は、1140団体を超える自治体で導入。地方公共団体170の市区町村が同社の基幹系システムを利用中だ。

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