手術用縫合針・眼科ナイフなどの医療機器メーカー マニー 【7730・プライム市場】

営業利益率30%×業績2桁成長の強靭体質
カギは「やらない経営」と「地域密着営業」

医療機器メーカーのマニーは、営業利益率が約30%と高水準なのが魅力。業績も、4期連続2桁増収増益の見込みと申し分ない。盤石な経営基盤を支えるのは、創業から約70年の歴史で培われた「やらない経営」だ。商圏を決め、品質を追求し、競合が真似できない独自性を確立。地域に根差した営業手法で、世界中にファンを作った。次に照準を絞るのは、巨大市場・欧米地域。競争の激しい市場にあえて繰り出し、一皮むけようとしている。
マニー-齊藤 雅彦

齊藤 雅彦(さいとう まさひこ)

社長

1967年5月生まれ。90年宇都宮大学農学部卒業、松谷製作所(現マニー)入社。2014年執行役。19年執行役専務。20年取締役兼代表執行役社長CEO、COO就任(現任)。

「糸くず?」実は超小型の針
創業来、微細加工技術を研鑽

マニーは1956年の創業以来、一貫して医療機器を作ってきたメーカーだ。特徴は、「手術用縫合針」や「眼科ナイフ」など、微細な加工技術を必要とする製品に絞って展開する点である。

2023年8月期業績は、売上高が前期比19・9%増の244億8800万円、営業利益は17・5%増の72億4300万円。セグメント別売上比率は、歯科用機器・材料を持つ「デンタルセグメント」が37・3%、手術用の針を製造する「アイレス針セグメント」が35・0%、手術用機器を展開する「サージカルセグメント」が27・7%となる(右下図参照)。

デンタルセグメントでは、歯の根管を治療する「リーマ・ファイル」や歯の表面を削る「ダイヤバー」などを展開。細かいニーズに応え、1500種以上を取り揃える。

アイレス針セグメントでは、木綿針のように後部に通り孔が開いた「アイド針」や、針付縫合糸の材料となる「アイレス針」などを製造する。同セグメントの製品は外科手術全般で使用されるが、心臓血管外科手術など、極めて精密な施術でも使用される。そのため、医師の要望を元に様々な針を開発生産。そのラインナップは1万種類以上に及ぶ。

サージカルセグメントでは、白内障手術などに使われる眼科ナイフや、皮膚の表面を縫合する「スキンステイプラー」などを展開する。

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