アドソル日進 【3837・プライム市場】

営業利益率10%以上を目指す
創立50周年に向け配当性向40%に引き上げ

アドソル日進は電力やガス、道路など、社会インフラのシステム・ソフトウェア開発を強みとする。2026年3月期を最終年度とする新中期経営計画では、16期連続増配を計画。計画期内毎期の最高業績更新と、配当性向35%から40%への引き上げを掲げる成長戦略について篠﨑俊明社長に聞いた。
アドソル日進-篠﨑俊明

篠﨑俊明(しのざき としあき)

代表取締役社長兼COO

1989年4月同社入社。2010年7月同社I&Cソリューション事業部長。15年6月同社取締役社会システム事業部長、18年6月同社常務取締役などを経て21年6月同社代表取締役社長兼COO就任(現任)。

電力系のシステム開発に強み
23年3月期は増収増益の着地

アドソル日進は大別するとSIer(システム・インテグレーター)と呼ばれるシステム開発会社であり、電力・ガスのエネルギー分野や日本のモノづくりをリードする製造業など、国内大手企業との直接取引をメインにしている。その事業領域は、社会インフラと先進インダストリーの二本柱だ。
社会インフラ事業は「エネルギー」「モビリティ・交通」「防災」「通信」の4分野。具体的には電力・ガス、道路・鉄道、航空・宇宙、公共・防災、通信・ネットワークなど社会インフラにおけるSI(システム・インテグレーション)を展開している。
先進インダストリー事業は「製造業」「サービス業」を中心に、自動車や医療など「日本のモノづくり」のIoT化を促進するシステムを提供している。加えて近年では、GIS(地理情報システム)をはじめとしたDXに貢献するソリューションの展開や、宇宙衛星データを利活用したビジネスにも力を入れている。

両事業とも顧客の開発工程の上流に位置し、コンサルティングから設計、開発、保守までをワンストップで提供する強みがある。この源泉は、電力の系統制御システム開発を祖業とする歴史にある。同社は1976年に設立。国内大手通信メーカーや同電機メーカーを主要顧客とし、『通信』『制御』を中心にシステム開発を担い、東京と大阪の2拠点で事業をスタートさせた。

「照明のスイッチを入れると明かりが当たり前につきますよね。実はここに当社の技術が活きています。この裏には、電気の『制御』と『通信』が必要です。これを司る技術が当社の強みなのです。電力を制御する大規模なシステム開発のノウハウを先進インダストリー分野に展開し、また、通信のコアシステムの開発を情報化社会の中で社会インフラへと拡大させてきました。現在では、幅広い産業・分野で大手企業の事業展開や業務効率化に欠かすことのできないICTシステムをお任せ頂いています」(篠﨑俊明社長)

アドソル日進:電力系統制御から領域が広がる

電力系統制御から領域が広がる

23年3月期業績の売上高は前期比4・9%増の128億4200万円、営業利益同11・3%増の12億1000万円と手堅い成長を示した。

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