ハードオフコーポレーション 【2674・プライム市場】

商材に合わせた多様なオフブランドを展開
新業態店の開発進め2000店体制目指す

パソコンやAV機器の買取大手「ハードオフ」を始め、「オフハウス」や「モードオフ」などを展開するのがハードオフコーポレーションだ。2021年3月期はコロナ禍で休業や時短営業を行ったにもかかわらず、売上高過去最高を更新。22年3月期も、リアル店舗の好調などで売上・営業利益二桁増を予定する。小型店や海外展開などで店舗を増やしており、現在900強の店舗数を2000店へ拡大させる計画だ。
ハードオフコーポレーション-山本 太郎

山本 太郎(やまもと たろう)

社長

1980年新潟県出身、早稲田大学卒業。2005年にファーストリテイリング入社、07年にハードオフ入社。経営企画室長、常務取締役店舗運営本部長、取締役副社長兼店舗運営本部長などを経て、19年代表取締役社長就任(現任)。

30年弱で1000店舗に拡大

ハードオフコーポレーションは、パソコンやオーディオ、楽器、カメラなどの中古品買取・販売を行う「ハードオフ」を中心に様々なリユース店を運営する会社だ。展開するブランドはハードオフに加え、生活用品や家具などを扱う「オフハウス」、衣料品が主の「モードオフ」、タイヤなどの「ガレージオフ」、トレーディングカードやフィギュアといった玩具を揃える「ホビーオフ」、そして酒類・グラスの「リカーオフ」の6種類。またブックオフコーポレーション社のフランチャイズ(FC)加盟店として、本やCDなどの「ブックオフ」も運営する。

同社の特徴のひとつが、FC展開で成長してきた点だ。前身は現会長の山本善政氏が1972年に設立した新品オーディオ販売店だが、90年代前半頃はバブル崩壊のあおりで新品オーディオが売れなくなった。そんな折、山本会長は中古本を手掛けるブックオフのビジネスモデルの意義に共感。93年、ブックオフと同じ建物内に出店する形でハードオフ1号店をオープンした。翌94年には、同ブランドのFC事業を開始。以降店舗総数は99年に100店、2002年に300店、05年には500店と急成長を遂げた。直近(21年8月末)の店舗総数は917店舗となる。

もうひとつの特徴は、買い取った商品は基本的に買取店で販売する点だ。品物は店舗の商圏から出ないため、エリア内で「中古品の自給自足」ができるという。これにより、不用品が域外に流出して品不足に陥る心配も少なく、かつ地域ごとに品物や店舗の特色が出やすい。「お客様の中には全国にあるハードオフに来店する『ハドフ巡り』が趣味と言う方がいますが、その方々に『ここのジャンク品が面白い』、『この店は音楽コーナーが充実している』と教えて頂いたことがありました。チェーン店でありながら、それぞれ色が違うのはポジティブな面ですね」(山本太郎社長)

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