ナガオカ 【6239・スタンダード市場】

取水技術を石油と水に展開利益体質化進め収益性改善

石油プラント内部装置や取水設備、水処理装置などを手掛けるのがナガオカ(6239)だ。2015年の上場後、2期連続で赤字が続いたが、梅津泰久社長就任後は経営効率化や競争力強化を推進。前期(2019年6月期)は、売上高営業利益率が11.3%となった。今後も高利益・高収益化を進める他、潜在需要が高い水関連事業に注力。エネルギー事業に並ぶ主軸へと成長させる。
ナガオカ-梅津 泰久

梅津 泰久(うめづ やすひさ)

社長

1961年6月30日大阪府生まれ。84年京都大学工学部卒業後、伊藤忠商事入社。2000年日本アジア投資に入社。11年ナガオカ社外取締役に就任。17年、同社代表取締役社長に就任(現任)。

スクリーンを2分野で展開

同社は、井戸や工場などで使用される金属製フィルター「スクリーン」を、エネルギーと水の2分野で展開するメーカーだ。

エネルギー関連事業では、化学繊維やペットボトルなどの原料「プロピレン」や「ポリエステル」などを製造する石油プラントの内部装置「スクリーン・インターナル」が主力商品。プラント心臓部と言われる反応塔内にある筒状のフィルターで、原材料の原油や天然ガスを変化させ、反応・抽出・分離を行う触媒をサポートする。

同製品は石油精製プロセスの重要装置であるため、精製プロセスを設計した「プロセス・オーナー」から認証された企業しか製造できない。受注価格帯は、数千万〜十数億円。認証を持つのは世界で数社しかなく、ナガオカは日本唯一の認証サプライヤーとなる。これまで、65カ国に同製品を納入してきた。

一方の水関連事業では、「取水」と「水処理」の2分野を展開する。「取水」では、地下水を汲み上げる「取水スクリーン」が主製品。井戸の取水量増加や工事現場で出てきた地下水の排水に活用でき、国内では1000件以上の受注実績を持つ。

「水処理」では、水ろ過システム「ケミレス」などを展開。原水中の鉄やマンガンなどを、薬剤を使わず処理でき、浄水場などで導入が進んでいる。

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